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ゾーン2は効きます。でも、腕時計の心拍ゾーンはたぶんズレてます

4 studies · 2025 Sports Med meta-analysis

ゾーン2はちゃんと効果があります。ただし「最大心拍の%」で決め打ちすると、人によって最大29%もズレることが50人のサイクリスト研究(2025)で示されています。自分の本当のゾーンの見つけ方を解説します。

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ゾーン2は効きます。でも、腕時計の心拍ゾーンはたぶんズレてます

ゾーン2の効果は本物。でも、腕時計の数字は当てにならないかも

今日はひとつだけ押さえておきましょう。ゾーン2の有酸素は、ちゃんと効きます。ここは安心してOKです。

ただ、みんなが見落としがちなのがここなんですけど、アプリが出してくる心拍の範囲—だいたい「最大心拍の60–70%」みたいなやつ—は、自分の体にピッタリ合ってるとは限りません。普通に大きくズレます。

Meixnerら(2025)はサイクリスト50人をラボで測って、ゾーン2の目安になる指標をいろいろ比べました。その結果、「最大心拍の%で固定するやり方」は個人差のばらつきが最大29%にもなったんです(Meixner et al., 2025)。つまり、同じ「ゾーン2の上限心拍」を割り当てられても、代謝的にはまったく別の強度で走ってる…なんてことが起きます。

ゾーン2がダメなんじゃありません。探し方の“定番の近道”が雑なんです。

最大心拍の固定%は、人によって最大29%もズレます。つまり、腕時計のゾーン2は「自分のゾーン2」じゃない可能性が高いんです。

Meixner et al. (2025). Zone 2 Intensity: A Critical Comparison of Individual Variability. Transl Sports Med.

ゾーン2って結局なに?(なぜ大事?)

ゾーン2は、運動生理の言い方だと「低強度」の範囲に入ります。目安はVT1(第一換気閾値)より下。VT1っていうのは、呼吸が「あ、深くなってきたな」とはっきり変わり始めるポイントです。

VT1より下だと、エネルギーは脂肪がメインで回りやすいですし、乳酸(きつい運動で増えやすい副産物)も低めで済みます。だから長く続けても、疲れがドッと溜まりにくいんですよね。

逆にVT1を超えると、研究では「heavy(きつめ)」のゾーンに入ります。糖質寄りになって、乳酸も上がってきて、回復に必要なコストも上がります。

ゾーン2は「きついの入口」じゃなくて、「ラクの上限」なんです。 有酸素の大半をVT1より下に置くと、余計なストレスを積み上げずに“土台(エンジンの大きさ)”を育てられます。

Kaufmannら(2023)の論文を何十本もまとめて分析した大きな調査(27研究、被験者461人)では、心拍変動から出す閾値がVT1や最初の乳酸閾値とかなり近く揃うことが確認されています。平均でだいたい1 bpmくらいの差だった、という結果です(Kaufmann et al., 2023)。だから「体の反応で決める閾値」が、ゾーン設定の基準としては一番信頼できるんですよ。

自分の“本当のゾーン2”を見つけるいちばん良い方法

Meixnerら(2025)の研究では、サイクリスト50人にランプテストとステップテストをやってもらって、パワー、心拍、血中乳酸、換気(呼吸の量)、脂肪の使われ方まで同時に測りました。

そこで精度が高かったのが2つ。VT1FatMaxです。FatMaxは「脂肪をいちばん多く燃やせる強度」のこと。この2つはかなり近く揃って、しかも個人差のばらつきが小さかったんです。

一方で、「最大心拍の%で固定」は最下位クラス。CVが最大29%でした。

じゃあラボなしでどうするか?

現実的には“トークテスト”がVT1の代わりになります。 ゾーン2は、「息が上がりすぎず、文章でちゃんと話せる」ギリギリの強度です。フレーズの途中で息継ぎが必要になって、文がブツブツ切れ始めたらVT1を超えてます。つまり、もうゾーン2じゃありません。

数字が欲しいなら、まずは最大心拍の70–75%をざっくりの目安にしてOKです。そのうえでトークテストで答え合わせしましょう。話せるかどうかに合わせて上限を上げ下げして、両方が一致したところ—そこが自分のゾーンです。

ゾーン2はどれくらい?きつい日は? 80/20が多いけど、理由は「ゾーン2だけが最強」じゃない

トップの持久系選手は「練習の80%はラク、20%はきつい」ってよく言われますよね。いわゆるポラライズド(偏った)モデルで、ボリュームの大半はイージー、残りを本当にハードにするやり方です。

ただ、ここで大事なのは「80/20じゃないと伸びない」って話ではないこと。Rosenblatら(2025)のSports Medのネットワーク・メタ分析(この手の比較では最大級で、13研究・アスリート348人の個別データを統合)では、総トレーニング負荷が同じなら、強度配分モデル間でVO2maxの伸びに有意差は出ませんでした(Rosenblat et al., 2025)。VO2maxは「体が酸素を使える最大量」で、有酸素フィットネスと長期的な心血管の健康をかなりよく代表する指標です。

じゃあ何が言えるかというと、ゾーン2の量が土台で、上限を押し上げるのは“きつい日との組み合わせ”ってことなんです。どっちか片方だけを極めても、最適化はできません。

ちなみにGottschallら(2020)は、成人35人が3週間、全セッションを記録したデータを見ています。その中で「週の合計時間のうち、最大心拍の90%超が9%を超える」と、オーバートレーニングっぽいサインと関連していました。ちょうどいいのは、その極端にきついゾーンが週の合計の4–9%くらい(Gottschall et al., 2020)。残りは基本イージーでOKです。そこにゾーン2のボリュームが乗ります。

ちょうどいいのは、週の合計トレーニング時間のうち「最大心拍の90%超」が4–9%。あとは基本ラクにいきましょう。

Gottschall et al. (2020). Exercise Time and Intensity: How Much Is Too Much? Int J Sports Physiol Perform.

短くてきついのをチョコチョコやれば、ゾーン2の代わりになる?

Matomäkiら(2025)は、「超短い高強度インターバル」で、一定ペースの低強度ライドと同じ反応が出せるかをテストしました。ここでいうマイクロインターバルは、15 sec以下で、だいたいVO2maxパワーの100%くらいの努力です(Matomäki et al., 2025)。

結論は、やり方次第でYES。4–6 secや7–23 secの区間で組むと、心拍、酸素摂取、血中乳酸、主観的きつさが、45分の一定ペース低強度サイクリングと統計的に同等でした。ところが10–20 secのマイクロインターバルだと、主観的きつさが有意に上がっています(10段階で3.1 vs. 2.4、p = .01)。

バーストが十分短いと、パワーが一瞬跳ねても“平均として”ゾーン2に収まりやすいんです。

実用面でも大事で、バイクやローイングで「ずっと一定」がメンタル的にキツいなら、4–6 secの小さなサージ+ラクな回復を組むと、同じ低強度の刺激を作れます。

ただし「短いインターバル=ハード」じゃありません。狙いは、平均でVT1より下にいること。その条件を満たすのは、あくまで“短くて、コントロールされた”サージだけです。

ゾーン2を1週間にどう組み込む?(使える形に落とす)

研究の話を、実際に回せる形にするとこうなります。

1. 週3–5回を軸に、1回30–60分。
エリートはここで有酸素のボリュームを稼いでいます。一般の体力づくりなら、まずは週3回が現実的なスタートですよ。

2. 強度は固定の心拍じゃなく、トークテストで決める。
ラボでVT1を確認できないなら、次に使えるのがトークテストです。文章が途切れない範囲に収めましょう。

3. 週1–2回はきつい刺激も入れる—でも短く。
Gottschall et al. (2020)のデータだと、週の合計時間のうち「かなり高強度」はだいたい4–9%が目安です。週3時間の有酸素なら、ガチでキツい時間は合計で約7–16分。1本の長いハード走じゃなくて、インターバルで散らすのがいいですね。

4. “そこそこキツい”をイージーと勘違いしない。
レクリエーション勢で一番多いミスは、真ん中で走り続けることです。VT1より下に収まるほどラクじゃない。でも高強度のメリットが出るほどキツくもない。このグレーゾーンは疲れだけ溜まりやすくて、伸びがハッキリしません。イージーの日は、ちゃんとイージーに振り切りましょう。

ゾーン2の有酸素と筋トレを組み合わせるなら、cardio before or after weightsで「どっちを先にやると潰し合わないか」を整理しています。

Planfitだと、ここをこう活かせます

Planfitは筋トレのメニューを、セットごとの重量とレップのおすすめ込みで組みます。さらに毎回のボリューム(総量)を追って、今の刺激がラクになってきたら負荷を少しずつ上げるように促してくれます。

これって、有酸素の“土台づくり”と同じロジックなんですよ。ランダムにキツいことをやるより、ちょうどいい強度でコツコツ積み上げたほうが、カラダはちゃんと応えてくれます。リフトを記録して、伸び方の傾向を見て、面倒な負荷計算はアプリに任せましょう。

ゾーン2で「何kcalくらい燃えてるか」をざっくり知りたいなら、calories burned calculatorでトレログとセットで確認できます。

参考文献

  1. Meixner C et al. (2025). Zone 2 Intensity: A Critical Comparison of Individual Variability in Different Submaximal Exercise Intensity Boundaries.. Transl Sports Med. 10.1155/tsm2/2008291
  2. Rosenblat MA et al. (2025). Which Training Intensity Distribution Intervention will Produce the Greatest Improvements in Maximal Oxygen Uptake and Time-Trial Performance in Endurance Athletes? A Systematic Review and Network Meta-analysis of Individual Participant Data.. Sports Med. 10.1007/s40279-024-02149-3
  3. Kaufmann S et al. (2023). Heart Rate Variability-Derived Thresholds for Exercise Intensity Prescription in Endurance Sports: A Systematic Review of Interrelations and Agreement with Different Ventilatory and Blood Lactate Thresholds.. Sports Med Open. 10.1186/s40798-023-00607-2
  4. Gottschall JS et al. (2020). Exercise Time and Intensity: How Much Is Too Much?. Int J Sports Physiol Perform. 10.1123/ijspp.2019-0208
  5. Matomäki P et al. (2025). Substituting Low-Intensity Endurance Exercise With High-Intensity Microintervals: Responses to Acute Exercise.. Int J Sports Physiol Perform. 10.1123/ijspp.2024-0397