筋肥大は「トレ時間」じゃなく「1回のセット数」で決まる——111本の研究をまとめた2020年メタ分析より
2 studies · Benito 2020 meta-analysis of 111 RCTs
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「45分ルール」なんて、ルールじゃありません
今日ひとつだけ押さえておきましょう。トレーニングを「何分やったか」って、筋肉が育つかどうかの答えにはほぼならないんです。
2020年のメタ分析(筋トレと筋肥大の研究111本をまとめて見た調査)では、筋肥大を安定して予測できた要素がたった1つだけありました。それが1回のワークアウトあたりのセット数です(Benito et al., 2020)。セッションの長さでもなく、週に何日やるかでもなく、種目のチョイスでもありません。1回で何セット積んだか、ここだけでした。
結論はこれで終わりです。ワークアウトの「適正時間」を知りたいなら、質問をひっくり返しましょう。「今日は何セット必要?」を先に決める。時間はその結果としてついてきます。
1回のワークアウトあたりのセット数だけが、筋肥大の差を説明できました。
— Benito et al. (2020). A Systematic Review with Meta-Analysis of the Effect of Resistance Training on Whole-Body Muscle Growth in Healthy Adult Males. Int J Environ Res Public Health.
Benitoのメタ分析が「実際に」言っていること
Benitoら(2020)は、研究111本・トレーニング群158・被験者1,927人のデータを集めました。そこでメタ回帰という手法を使って、よくあるトレ要素を全部並べて「結局どれが筋肉を増やすの?」を比べたんです。
年齢、体重、身長、プログラムの期間、トレ頻度——どれもグループ間の筋肥大の差を説明できませんでした。説明できたのは1つだけ。1回あたりのセット数です。
これ、意味はシンプルですよね。たとえば2人が12週間トレします。1人は30分、もう1人は75分。もし1回のトレで積む「質の高いセット数」が同じなら、データ上は筋肥大も同じように出ます。時間はそもそも計算に入っていなかった、ということなんです。
インターバルが長いとセッションは伸びます。でも、それでいいんです
ここからが面白いところです。セッションが60分を超えやすい一番の理由って、セット間の休憩(インターバル)なんですよね。座って呼吸を整えて、回復して、次のセットに備える時間です。ここを60秒に削って「強度を保つ」とか「時短する」人、かなり多いです。
でも、それはデータ的におすすめできません。
Schoenfeldら(2016)は8週間のRCT(被験者をランダムに分けて比較する実験)をやっています。トレ経験のある男性21人を、セット間休憩1分のグループと3分のグループに分けました。種目もセット数もレップ帯も、全部同じです。
結果ははっきりしていて、3分休憩のグループのほうが大腿四頭筋の筋厚が有意に増えました。上腕二頭筋と上腕三頭筋も、より伸びる傾向が出ています。 しかもスクワットもベンチプレスも、筋力の伸びが大きかったんです(Schoenfeld et al., 2016)。
休憩を短くしても筋肥大は守れません。むしろ削れます。だから、インターバルをちゃんと取ることで増える10–15分はムダじゃないんです。刺激の一部なんですよ。
セット間休憩3分は、1分より筋肥大も筋力も有意に伸びました。
— Schoenfeld et al. (2016). Longer Interset Rest Periods Enhance Muscle Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men. J Strength Cond Res.
じゃあ「ちょうどいい長さ」のセッションって、どんな感じ?
研究の流れに沿って、ざっくり枠組みを作るならこんな感じです。
- ウォームアップ:5–10分の準備運動。ここは必須です。ただ、正直にいきましょう。ウォームアップはワークアウト本編じゃありません。
- メインセット:その日に狙う筋群で合計10–20セットが目安。胸+三頭の日なら、3–4種目に分けてメインセット10–15セットくらいがいいレンジです(セット数の詳しい考え方は how many sets per workout をどうぞ)。
- セット間の休憩:コンパウンド種目(スクワット、デッドリフト、ベンチ、ローイング)は2–3分。アイソレーション種目(カール、サイドレイズ)は90秒でも回せます。
- 合計時間:このセット数と休憩をちゃんと守ると、多くの人は45–75分に収まります。
でも、ここがポイントなんですけど。時間は「結果」です。 60分を目標にしたわけじゃないですよね。必要なセットをやって、必要なだけ休んだら、たまたま60分かかっただけです。
30分で終わるなら、セット数が足りないか、休憩を急ぎすぎている可能性が高いです。2時間かかっているなら、種目を詰め込みすぎているか、休憩が長すぎるか、途中で集中が切れているかもしれません。
短いセッションが本当にハマるのは、この1パターン
時間がない日、答えは「休憩を削る」じゃありません。種目を削って、重要なセットを守るです。
優先種目で8–10セットを、しっかり休みながら追い込む30分セッション。これは、息が上がりっぱなしで休憩40秒のサーキット30分より、筋肥大の面では勝ちやすいです。
休憩が足りない状態で種目を増やすより、休憩を確保した質の高いセット。これは毎回そうなります(Benito et al., 2020; Schoenfeld et al., 2016)。短い日は、いちばん大事な動きを2つ選んで、必要なセットをやって、しっかり休んで、帰る。それで十分「いいトレ」です。そこから先に伸びる時間はボーナスであって、必須じゃありません。
「このあと有酸素も足すべき?」と迷う日は、cardio before or after weights で、筋トレの刺激にどう影響するかを整理してあります。
Planfitだと、ここをこうやって落とし込みます
Planfitは、セッションを「分」じゃなく「セット」で組みます。種目を選んで、各セットの目標重量とレップ帯を決めて、ボリュームもリアルタイムで記録します。だから、その日のセット目標に対して今どこまで来ているかが、いつでも分かるんです。
時計の管理は休憩タイマーに任せましょう。自分はセットに集中するだけ。セッションの長さは勝手に整います。
それと、セットがちゃんとキツくなっているか(漸進性過負荷が進んでいるか)を追うなら、Planfitの漸進性過負荷トラッキングが便利です。今の負荷が「もう挑戦になってない」タイミングを教えてくれるので、時間を足すんじゃなく、重量を足すべき瞬間が分かります。
参考文献
- Benito PJ et al. (2020). A Systematic Review with Meta-Analysis of the Effect of Resistance Training on Whole-Body Muscle Growth in Healthy Adult Males.. Int J Environ Res Public Health. 10.3390/ijerph17041285
- Schoenfeld BJ et al. (2016). Longer Interset Rest Periods Enhance Muscle Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000001272