Numbers Don't Lie

週10セット/部位で、たぶん十分です — 本当に見るべき数字はこっち。

4 studies · 2 meta-analyses · Sports Med 2024

多くのトレーニーが1部位あたり週20セット以上を追いがち。でも研究を見ると、もっと少なくても筋肉は育ちます。しかも「多ければ多いほど良い」とは限らないんです(Sports Med 2024のメタ分析)。

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週10セット/部位で、たぶん十分です — 本当に見るべき数字はこっち。

追いかけてる数字、たぶん高すぎます

ネットの筋トレ情報って、「1部位あたり週15〜20セット以上が筋肥大の正解!」みたいに言いがちですよね。でも正直、そこまでやらなくても伸びます。むしろ無理に追いかけると、回復が追いつかなくて損してる可能性が高いです。

Sports Medicineの2024年のメタ分析(複数の研究を統合した分析)を見ると、筋トレの効果って右肩上がりで伸び続けるわけじゃないんです。ある程度まではセット数を増やすほど伸びますけど、途中からカーブが寝てきます(Swinton et al., 2024)。つまり、セットを足しても足しても「増えた分だけ得する」感じじゃなくて、上乗せ分がどんどん小さくなるんですよ。

結局のところ勝負はここです。自分にとって「ここから先は効率が落ちるな」というライン(伸びが鈍くなる地点)を見つけること。これが一番大事なんです。

筋トレの「やればやるほど伸びる」カーブは、多くの人が思うよりずっと手前で寝てきます。

Swinton et al. (2024). Dose-Response Modelling of Resistance Exercise Across Outcome Domains in Strength and Conditioning. Sports Med.

最小有効刺激:週1〜5セットでも伸びることはあります

今日はひとつだけ押さえておきましょう。「最小有効刺激(最低限これだけやれば効く)」って、思ってるより低いんです。

Sports Medicineの「最小有効刺激」に関する論文を何十本もまとめて分析した大きな調査(Androulakis-Korakakis et al., 2020)では、トレーニング経験がある男性でも、強度がちゃんと高ければ週に少ないセット数でも1RMが伸びる可能性が示されています。1回のトレーニングで“きついメインセット”を1セットだけやって、それを週2〜3回。これでも筋トレ経験者にハッキリした筋力アップが出た、という結果なんですよ。

だからといって「1セットが最適」って話ではありません。言いたいのは、スタートライン(最低ライン)が思ったより低いってことです。時間がない時期とか、疲労が溜まりやすい時期でも、ボリューム目標を必死に埋めなくても前に進めます。

筋肥大に限って言うと、多くの人は1部位あたり週10〜20セットあたりが研究的に支持されやすいレンジです。初心者ほど下寄りで十分、というイメージでOKです。

筋トレ経験者でも、1部位あたり週1〜5セットみたいな少ない量で1RMが伸びた例があります。

Androulakis-Korakakis et al. (2020). The Minimum Effective Training Dose Required to Increase 1RM Strength in Resistance-Trained Men. Sports Med.

用量反応:セット数は効く。でもカーブはガツンと曲がります

データをそのまま言うと、こんな感じです。

0→週5セットに増やす:伸びが大きいです。
週5→週10セット:伸びはまだしっかり出ます。
週10→週20セット:上乗せは小さくなります。
週20セット超え:多くの人で「増やした割に…」が一気に強くなります(Swinton et al., 2024)。

特においしいゾーンはここ。1部位あたり週5〜12セットあたりが、カラダへのコスト(回復)に対してリターンが一番大きいんです。

この傾向、筋力・筋肥大・パワーみたいに目的が違ってもだいたい似ています。結果と一番安定してプラスに結びつきやすいのは、週の総量(sets × reps × load)です。ただし直線じゃありません。セット数を2倍にしても、伸びが2倍になるわけじゃないんですよね。

投資対効果が一番大きいのは、1部位あたり週5〜12セットあたりです。

Swinton et al. (2024). Dose-Response Modelling of Resistance Exercise Across Outcome Domains. Sports Med.

セット数と同じくらい「セットの質」が大事 — インターバルもセットの一部です

セットを増やす前に、まず確認してほしいことがあります。今やってるセット、ちゃんと“質が高い”ですか? 休憩が短すぎてヘロヘロのまま打ち切ったセットは、フレッシュで限界近くまで追い込めたセットより刺激が小さくなりやすいんです。

Schoenfeldら(2016)のRCT(被験者をランダムに分けて比較する実験)では、筋トレ経験者の男性を「セット間1分休憩」vs「セット間3分休憩」に分けて、8週間の全身トレ(7種目を3セット、週3回)をやりました。結果はシンプルで、3分休憩のグループのほうが最大筋力も、大腿前面の筋厚(筋肉の厚み)も大きく伸びたんですよ。

つまりこういうことです。60 sec休憩で20セットを急いで回すくらいなら、2〜3分休憩をちゃんと取って12〜14セットやったほうが筋肥大は出やすい可能性が高いです。セット数の“数字”より、効くセットを回復できる形で積むこと。ここが勝ち筋です。

セット数が同じでも、3分休憩のほうが1分休憩より筋肥大が大きかった。

Schoenfeld et al. (2016). Longer Interset Rest Periods Enhance Muscle Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men. J Strength Cond Res.

スーパーセットなら、同じボリュームを半分の時間で作れます

時間がネックなら、スーパーセットはかなり使えます。やる気の問題じゃなくて「時間がない」タイプには特に相性いいですよね。

10週間のRCTでは、スーパーセット(2種目をほぼ休憩なしで続けてやる)を使うと、トレ時間がほぼ半分になりました。それでも筋力の伸びは、基本的に通常セットと同じくらいでした(Iversen et al., 2024)。有意差が出たのはラットプルダウンの筋力で、通常セットのほうが5.2 kg多く伸びた、という点だけです。

要するに、多くの部位ではスーパーセットでも刺激は保てるってことです。引く種目の一部でパフォーマンスが少し落ちる可能性はありますけど、目的次第では十分アリですよ。

実践のコツは簡単です。ぶつからない組み合わせにしましょう。たとえば bench press とローイング系、あるいは大腿四頭筋系とハムストリング系。こうすると落ち込みを最小限にしつつ、週のボリュームを短時間に押し込めます。

スーパーセットは、ほとんどの種目で同等の筋力結果を出しつつ、セッション時間をほぼ半分にしました。

Iversen et al. (2024). Efficacy of Supersets Versus Traditional Sets in Whole-Body Multiple-Joint Resistance Training. J Strength Cond Res.

じゃあ結局、見るべき数字は?

研究を現場目線でまとめると、こんな感じになります。

- 床(最小有効刺激): 1部位あたり週~3〜5セットの“きついセット”。筋トレ経験者でも維持〜筋力アップが狙えます(Androulakis-Korakakis et al., 2020)。
- 多くの人のスイートスポット: 1部位あたり週10〜15セット。まだ伸びのカーブに傾きが残っていて、やった分が返ってきやすいです(Swinton et al., 2024)。
- 上限寄り: 1部位あたり週15〜20セット。スイートスポットより上乗せは出ますけど、回復コストも上がります。筋肥大に振り切った上級者のフェーズ向きですね。
- 週20セット超え: 伸びる根拠が一気に弱くなります。「ジャンクボリューム(やった気になるだけのセット)」が溜まりやすいゾーンです。

週のセットは、1部位あたり最低でも2回以上に分けましょう。同じ週ボリュームなら、1回に詰め込むより頻度を上げたほうが良い、という結果は一貫して出ています。

最後にもう一度だけ強調します。Schoenfeld et al. (2016)の話です。3分休憩で12セットの週は、60 sec休憩で20セットの週より筋肥大で勝つ可能性が高いんです。見るべきは「セット数」だけじゃなくて、「回復できる質の高いセット数」ですよ。

Planfitだと、ここをこうやって管理します

Planfitは、部位ごとの週セット数を自動で追ってくれます。だから「最小有効刺激より下なのか」「スイートスポットに入ってるのか」「ジャンクボリュームを積んでるのか」が一目でわかるんですよ。

ワークアウトを記録すると、アプリが各種目をメインで使う筋肉・サブで使う筋肉に割り当てて、週のセット数を集計します。頭の中で数えたり、スプレッドシートを作ったりしなくてOKです。今週は攻めるべきか、引くべきか。その判断材料がそのまま出てきます。

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References

  1. Androulakis-Korakakis P et al. (2020). The Minimum Effective Training Dose Required to Increase 1RM Strength in Resistance-Trained Men: A Systematic Review and Meta-Analysis.. Sports Medicine. 10.1007/s40279-019-01236-0
  2. Swinton PA et al. (2024). Dose-Response Modelling of Resistance Exercise Across Outcome Domains in Strength and Conditioning: A Meta-analysis.. Sports Medicine. 10.1007/s40279-024-02006-3
  3. Schoenfeld BJ et al. (2016). Longer Interset Rest Periods Enhance Muscle Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men.. Journal of Strength and Conditioning Research. 10.1519/JSC.0000000000001272
  4. Iversen VM et al. (2024). Efficacy of Supersets Versus Traditional Sets in Whole-Body Multiple-Joint Resistance Training: A Randomized Controlled Trial.. Journal of Strength and Conditioning Research. 10.1519/JSC.0000000000004819
週10セット/部位で、たぶん十分です — 本当に見るべき数字はこっち。