Numbers Don't Lie

1回のワークアウトでやるセット数だけが、筋肥大を安定して予測できるトレーニング要素です。

4 studies · 1 meta-analysis (111 RCTs)

1回のトレーニングでセット数って結局どれくらい必要?答えは思ったよりシンプルです。2020年のメタ分析(研究111本)がヒントになります。

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1回のワークアウトでやるセット数だけが、筋肥大を安定して予測できるトレーニング要素です。

筋肉を増やすのを本当に動かす「たった1つの数字」

今日ひとつだけ押さえておきましょう。筋肥大に効くかどうかを左右する「数字」は、意外とシンプルなんです。

研究者がいろいろ調べてきた要素—頻度、重量(負荷)、インターバル、レップの幅—その中で、111本の研究・被験者1,927人のデータをまとめて見たときに、筋肥大の差をちゃんと説明できたのは「1回のトレーニングで何セットやったか」だけでした(Benito et al., 2020)。

レップ数じゃないです。週に何日やるかでもないです。強度%でもありません。セット数です。

この結論は、論文を何十本もまとめて分析した大きな調査(システマティックレビュー+複数の研究を統合した分析)から出ています。レジスタンストレーニング全体としては平均で+1.53 kgの筋肉増加(95% CI [1.30, 1.76])が出ていて、「じゃあ何がその増加を動かしたの?」を追加で分析すると、最後まで残ったのがセッションあたりのセット数だった、という流れなんですよ。

1回のワークアウトあたりのセット数だけが、111本の研究を通して筋肥大の差を説明できた。

Benito et al. (2020). A Systematic Review with Meta-Analysis of the Effect of Resistance Training on Whole-Body Muscle Growth in Healthy Adult Males. Int J Environ Res Public Health.

「十分なセット数」って、実際どんな感じ?

ジムでよくあるのがこの2パターンです。少なすぎて(2–3セットで終わり)刺激が足りないか、逆にボリュームを盛りすぎてフォームも集中力も崩れるか。

データが示しているのは、その真ん中あたりです。

ポイントはここなんですけど、大事なのはセット数そのものより「質の高いセット」です。つまり、限界に近いところまでちゃんと追い込めているセットですね。

たとえば6週間のRCT(被験者をランダムに分けて比較する実験)では、4セットを限界までやるグループと、8セットだけど限界まではやらないグループの両方で、ベンチプレスとスクワットの筋力がしっかり伸びました(Karsten et al., 2021)。ベンチはフェイラー(限界まで)側が+9.44 kg、非フェイラー側が+7.22 kg。結果は近いのに、セットの組み方はかなり違いますよね。

結論はシンプルです。魔法のセット数はないけど、記録するセットは「ちゃんとキツい」必要があるってこと。50%の力で10セット流すより、限界近くの4セットのほうが価値が高い可能性が高いです。

6週間では、キツい4セットでも、ほどほどの8セットでも、筋力の伸びはかなり近かった。

Karsten et al. (2021). Impact of Two High-Volume Set Configuration Workouts on Resistance Training Outcomes in Recreationally Trained Men. J Strength Cond Res.

インターバルで「1セットの価値」が変わります

ただ、ここに落とし穴があります。セット数がカギだとしても、1セットの質は「次のセットに入る前にどれだけ回復できているか」で大きく変わるんです。

Schoenfeld et al. (2016)の8週間のRCTを見ると、セット数もレップ数も同じ条件なのに、インターバル3分のほうが1分より、筋厚も筋力も伸びました。長めに休んだグループは、大腿前面の筋厚がより増えて、スクワットとベンチプレスの1RMの伸びも大きかったんですよ。

短い休憩は時間を圧縮できますけど、そのぶん各セットのパフォーマンスが落ちやすいです。45 sec休憩で6セット急いで回すと、刺激としては「ちゃんと休んだ3セット分」くらいになっている…なんてことも普通にあります。

鍛えている男性では、筋力も筋肥大もインターバル3分が1分に勝ちました。

Schoenfeld et al. (2016). Longer Interset Rest Periods Enhance Muscle Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men. J Strength Cond Res.

スーパーセット:ちゃんと使えば時短。でも代償もあります

「休憩がそんなに大事なら、スーパーセット(ほぼ休まずに2種目を続ける)ってどうなの?」って思いますよね。

そこを真正面から比べたのが、10週間の全身トレーニングでの2024年RCTです(Iversen et al., 2024)。結果は、ラットプルダウンで通常セットのほうがスーパーセットより5.2 kg強かった(p = 0.033)。シーテッドローも通常セットが良さそうな傾向でした。レッグプレスとベンチプレスは統計的には同じくらいです。

この流れ、納得なんですよ。同じ筋肉を回復しきる前にもう一回働かせると、出力が落ちます。出力が落ちると、筋肉に入る刺激も落ちやすい。

だからスーパーセットは、同じ部位を連続させるより、拮抗筋(反対側の筋肉)同士で組むのが基本です。たとえば胸+背中みたいに組めば、片方が動いている間にもう片方はほぼ休めます。

結局、スーパーセットは「使い方次第」です。うまく組めば、伸びを大きく落とさずにセッション時間をだいたい半分くらいまで削れますよ。

10週間後、プルダウンの筋力は通常セットがスーパーセットより5.2 kg上でした。

Iversen et al. (2024). Efficacy of Supersets Versus Traditional Sets in Whole-Body Multiple-Joint Resistance Training. J Strength Cond Res.

多くの人にハマる、現実的なセット数の目安

じゃあ、ここまでの話をまとめて「実際どう組む?」に落としますね。

筋群ごと・1回のセッションあたり:
- 初心者(< 1 year): キツめの3–5セットで十分です。メタ分析のデータでも、セットがちゃんと頑張れていれば低めのボリュームでも伸びます。
- 中級者(1–3 years): 筋群ごとに4–6セット。セット間は2–3 minutesを目安にしましょう。
- 上級者(3+ years): ボリュームは増やす必要が出ますけど、勝つのはやっぱり質です。休憩を確保して5–8セット、もしくは賢くスーパーセットを組んで時間を管理するのがおすすめです。

ワークアウト全体の総セット数(全筋群合計):
たとえば4種目を各4セットやると、合計16セットです。これはBenito et al.のメタ分析が示した「伸びやすいゾーン」に、かなり気持ちよく収まります。

思っているほど重要じゃない要素:
- レップの厳密な範囲(努力感が揃っていれば6–12はだいたい同じくらい筋肥大します)
- 頻度そのもの(週の総セット数を日数に散らしただけで、必ず有利になるわけじゃないです)
- セッション時間(時間はセット数と休憩の結果として決まります。そこを押さえれば、時間は勝手についてきます)

よくあるミス:忙しさをボリュームと勘違いする

よくあるのが、種目数をセット数みたいに数えちゃうパターンです。「今日は胸やった。ベンチ、インクライン、フライ、ケーブルクロス。」—種目は4つ。でも各2セットで、努力感はほどほど、休憩は60 sec…だとしたら、ちゃんと休んでベンチをキツめに5セットのほうが「効くボリューム」は上、なんて普通にあります。

だから、数えるのは種目じゃなくてセットです。筋群ごとに「1週間でキツいセットを何セットやったか」をログしましょう。研究が結果と結びつけたのも、そこなんですよ。

それとKarsten et al.の結果も思い出してください。限界までやり切るのは必須じゃないです。でも、限界に近いところまで持っていくのは大事なんです。セットを終えて「まだ5+ repsはいけたな」と感じるなら、そのセットはあまりカウントできていない可能性が高いですね。

Planfitだと、ここをこう使います

Planfitは、記録した「種目数」じゃなくて、筋群ごとの「効いたセット数」を週単位で追いかけます。

ワークアウトが終わったら、どの筋群が目標セット数に届いたか、どこが足りていないかがすぐ見えるので、次のセッションまでに軌道修正しやすいんです。インターバルの長さもちゃんと考慮しますし、スーパーセットと通常セットのバランスも、ここで話した根拠に沿ってプログラムされています。

研究を丸暗記する必要はありません。メニュー側がそこをやってくれます。

参考文献

  1. Benito PJ et al. (2020). A Systematic Review with Meta-Analysis of the Effect of Resistance Training on Whole-Body Muscle Growth in Healthy Adult Males.. Int J Environ Res Public Health. 10.3390/ijerph17041285
  2. Schoenfeld BJ et al. (2016). Longer Interset Rest Periods Enhance Muscle Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000001272
  3. Karsten DB et al. (2021). Impact of Two High-Volume Set Configuration Workouts on Resistance Training Outcomes in Recreationally Trained Men.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000003163
  4. Iversen VM et al. (2024). Efficacy of Supersets Versus Traditional Sets in Whole-Body Multiple-Joint Resistance Training: A Randomized Controlled Trial.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000004819
1回のワークアウトでやるセット数だけが、筋肥大を安定して予測できるトレーニング要素です。