レップ数って筋肥大にはほぼ関係ない — 研究4本が示すこと
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レップ数の悩み、正直な答えは1つです
5レップを1セットにしても筋肉はつきます。30レップを1セットにしても筋肉はつきます。そして、頑張り具合(努力量)をそろえると、この両極端の筋肥大の差はほぼゼロに近いんです。
これ、コーチの好みの話じゃありません。研究結果がずっと同じことを言い続けています。みんなが一番長く揉めがちな「レップ数」って、実はトレーニングの中ではかなり優先度が低い要素なんですよね。
じゃあ、筋肉が育つかどうかを決めるのは何なのか。そこにレップ数がどう関わるのか。今日はそこをスッキリさせましょう。
重量を上げる vs レップを増やす:筋肥大は同じ。以上
Plotkin et al. (2022)は、筋トレ経験者43人で8週間のRCT(被験者をランダムに分けて比較する実験)をやりました。質問はシンプルです。漸進性過負荷って、重量を上げて作るのと、レップを増やして作るのとで、筋肥大に差が出るの?って話ですね。
片方のグループはレップ数を固定して、毎週少しずつ重量を上げました。もう片方は重量を固定して、毎週レップ数を増やしました。8週間後、大腿四頭筋とふくらはぎの筋厚は、どちらのグループもほぼ同じだけ増えたんです。筋肥大に関しては、どっちが上という結果にはなりませんでした。
つまり、どっちでも同じように筋肉は育ちます。 大事なのはレップ数そのものじゃなくて、漸進性過負荷で刺激を育てていくことなんですよ。
「なんで漸進性過負荷がそんなに効くの?」をもう少し深掘りしたいなら、progressive overload trainingで仕組みをわかりやすく解説しています。
レップを増やす形の漸進性過負荷でも、重量を上げる形の漸進性過負荷でも、筋トレ経験者では8週間で同じくらい筋肉が増えました。
— Plotkin et al. (2022). Progressive overload without progressing load? PeerJ.
低負荷(30% 1RM)でも筋肉はつく — ちゃんと追い込めば、です
ここ、たぶん一番びっくりする数字です。1RMの30% — フレッシュなら40–50回くらい上げられる重さ — でも、ちゃんと筋肥大は起きます。
Kataoka et al. (2026)は、参加者144人の大きめのRCT(被験者をランダムに分けて比較する実験)でこれを検証しました。グループは3つです。30% 1RMで限界までやる(LL-Failure)。30% 1RMだけど限界手前で止める(LL submaximal)。そして30% 1RMに血流制限(BFR)を組み合わせるグループ。BFRは、血液の戻りを一部制限して、軽い重量でも筋肉への刺激を強めるテクニックです。
6週間後の筋厚の増加はこうでした:
- LL-Failure(低負荷・限界まで):+0.17 cm
- LL + BFR(低負荷+血流制限):+0.14 cm
- LL submaximal(低負荷・限界までやらない):+0.06 cm
同じ30% 1RMでも、限界からかなり手前で止めたグループは、限界までやったグループの1/3以下の伸びでした。重量は同じ。違ったのは「どこまで追い込んだか」です。
効いたのは重量じゃありません。限界までの近さ(追い込み具合)です。 (Kataoka et al., 2026)
実用的なレップ帯はあります — これです
とはいえ、「レップ数はどうでもいい」って話ではありません。結果を落とさずに、続けやすくて現実的な“ちょうどいい範囲”はあります。
Kinoshita et al. (2026)は、12週間のトレーニング研究で70% 1RMで10レップを使って、大腿四頭筋の4つの部位すべてでハッキリ筋肥大を出しています。種目によって差はありますが、太もも全体のボリュームは+4.9%〜+7.1%増えました (Kinoshita et al., 2026)。いわゆる「中くらいの重量×中くらいのレップ」で、ちゃんと頑張れば伸びるゾーンですね。
実際、エビデンスが落ち着く“使いやすい範囲”はだいたいここです:1セットあたり5–30レップ、重量は1RMの30–85%くらい。ここに入っている限り、レップ数をどれにするかで筋肥大はほとんど変わりません。
じゃあ、何が筋肥大を動かすのか?ポイントはこっちです。
- 多くのセットで限界まで0–4レップ以内まで近づける
- 時間とともにレップか重量を増やす(漸進性過負荷)
- 筋肉ごとに週のセット数をちゃんと稼ぐ — 目安はhow many sets per muscle group per weekで整理しています
1セット5–30レップ、30–85% 1RM。この範囲なら、レップ数は筋肥大にほぼ影響しません。勝負はセット終盤の追い込みです。
— Kinoshita et al. (2026). Hypertrophic Effects of Single- versus Multi-Joint Exercise. Med Sci Sports Exerc.
高レップはラクじゃない — しんどさの種類が違うだけです
8–12レップが定番になりがちなのは、なんとなく「やりやすい」感じがするからです。でも、20–30レップを限界近くまで持っていくセットって、普通に地獄です。心拍は上がるし、パンプと焼ける感じも強いし、限界まで行く前にやめちゃう人が多いんですよね。
Kataoka et al. (2026)のデータはそれをハッキリ見せてくれます。低負荷のサブマックス(限界手前で止める)グループは、限界までやるグループと同じ種目を、同じ重量でやっていました。違いは「早めに切り上げた」だけ。結果は、筋肥大がかなり小さかったんです。
低負荷で限界から6–8レップも手前で止めるのは近道じゃありません。ほぼムダ打ちです。
逆に、低レップで重めが好きならそれでOKです。重いのが魔法だからじゃなくて、努力量を測りやすくて、限界に近づけやすいからなんですよ。
じゃあ今日からどう組む?(結論)
今日から使える形にまとめますね。
ちゃんと回せるレップ帯を選びましょう。 スクワットみたいなコンパウンド種目(barbell squatなど)は、5–8レップの重めの方が追い込みやすいし、記録も管理しやすいです。アイソレーション種目は10–20レップでも全然OK。関節にもやさしいです。
セットは限界近くで終えましょう。 0–3レップ残し(RIR)くらいが目安です。6–8レップも余らせるのはもったいない。ここはバーの数字より大事なんですよ。
時間とともにレップか重量を増やしましょう。 Plotkin et al. (2022)は、筋肥大なら「レップを伸ばす」でも「重量を伸ばす」でも同じくらい効くことを示しました。重量が停滞してるなら、まずは1セットに1–2レップ足す。それでも立派な前進です。
レップ帯をコロコロ変えないでください。 「これなら一気に伸びるかも」で迷子になるより、どのレップ帯でも漸進性過負荷を積み上げる方が結果が出ます。レップ数の“正解探し”にハマる人ほど、実は一番しんどいところ(継続して、セットを押し切ること)から逃げがちです。
選んだレップ帯に対して、1回のワークアウトで何セット組むかの目安はhow many sets per workoutで確認しておきましょう。
Planfitだと、ここがこう活きます
Planfitは、目標や使える器具に合うレップ帯で漸進性過負荷を回せるように、プログラムを組みます。誰にでも同じ“型”を押しつけません。毎回のセッションで、レップ・重量・限界までの近さをまとめて追えるので、「数字を記録してるだけ」にならず、筋肥大に必要なラインにちゃんと近づけているかが見えるんです。研究が言っている通り、レップ帯はおまけ。主役は努力量と伸ばし方です。Planfitはその優先順位で作っています。
参考文献
- Plotkin DL et al. (2022). Progressive overload without progressing load? The effects of load or repetition progression on muscular adaptations.. PeerJ. 10.7717/peerj.14142
- Kataoka R et al. (2026). Submaximal low-load resistance exercise with blood flow restriction produces similar results to low-load exercise to failure for muscle size and strength, but not endurance.. Eur J Appl Physiol. 10.1007/s00421-025-05949-1
- Kinoshita R et al. (2026). Hypertrophic Effects of Single- versus Multi-Joint Exercise: A Direct Comparison Between Knee Extension and Leg Press.. Med Sci Sports Exerc. 10.1249/MSS.0000000000003957
- Barsuhn A et al. (2025). Training volume increases or maintenance based on previous volume: the effects on muscular adaptations in trained males.. J Appl Physiol (1985). 10.1152/japplphysiol.00476.2024