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正しいスクワットは「最初の2インチ」で決まる

Planfit coaching consensus · biomechanics principles

正しいスクワットは、深さまでしゃがんでから作るものじゃありません。スタンス、バーの担ぎ位置、ブレーシング…初心者のミスの9割を直す「セットアップの5つの合図」を押さえましょう。

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正しいスクワットは「最初の2インチ」で決まる

ミスは「しゃがむ前」に起きています

多くの人が「スクワットは深さが大事。どれだけ低くしゃがめるかだ」と思っていますよね。でも、そこじゃないんです。勝負は“降りる前”に決まります。

足の位置、バーの担ぎ位置、ブレーシング。この3つのどれかがズレていると、その後のレップはずっと「崩れないように必死で帳尻合わせ」になります。弱いから下手なんじゃありません。セットアップが間違ってるから、下手に見えるだけなんです。

動き出しの最初の2インチ――スタンス、バーの握り、呼吸。ここを直すと、あとはだいたい勝手に整ってきますよ。

弱いからスクワットが下手なんじゃありません。セットアップが間違ってるから下手になるんです。

足幅:「肩幅」はスタート地点。ルールじゃありません

「肩幅で立って」って合図、よく聞きますよね。基本としては悪くないですし、多くの人にはだいたい合います。

ただ、股関節は肩幅なんて気にしてくれません。股関節の形は人によってけっこう違うんです。股関節の向きが前寄りの人もいれば、外向きに角度がついている人もいます。もともと外に開きやすいタイプなのに狭いスタンスでやると、毎レップずっとカラダの作りとケンカすることになります。ボトムで鼠径部が詰まる感じがしたり、かかとが浮いてきたり…心当たりありません?

直し方はシンプルです。足幅を肩幅より少し広めにして、つま先は外に15–30°。そのまま深くしゃがんでみて、一番スムーズに動ける位置を探しましょう。そこが“自分のスタンス”です。隣の人と見た目が違ってもOKなんですよ。

全員共通のルールは1つだけ。膝はつま先と同じ方向に動かします。 つま先が25°外を向いてるのに、膝が内側に落ちるなら問題はそこです。角度そのものじゃありません。膝が内に入る(スクワット中に膝が落ち込む)と、膝関節に横方向のストレスがかかります。膝って、そっちの力を受けるようには作られてないんです。

膝はつま先と同じ方向に。毎レップ、これだけは守りましょう。

バーの位置:ローバーとハイバーで動きが別物になります

barbell squatのバー位置は大きく2つあります。どっちが正解・不正解という話じゃありません。問題なのは、中途半端に混ざることです。

ハイバー: バーを僧帽筋の上――首の付け根あたりの“盛り上がってる棚”に乗せます。上体が立ちやすくて、太もも前(大腿四頭筋)に入りやすいです。

ローバー: そこから2–3インチ下。三角筋の後ろ側(肩の後ろ)あたりにバーを乗せます。上体は少し前傾しやすくなって、お尻・ハム・背中下(いわゆる背面側)に負荷が乗りやすくなります。背面側っていうのは、ざっくり言うと体の後ろ側の筋肉――臀筋、ハムストリングス、脊柱起立筋あたりのことです。

初心者は、まずハイバーから入ることが多いです。肩や手首の柔軟性にそこまで厳しくないですし、上体が立つぶんコントロールもしやすいんですよね。

よくあるミス: ローバーに担いでるのに、動きはハイバー(上体を立てる)のまま。これ、バーがズレやすくなります。上背部に“引っかかり”が作れないので、負荷が筋肉じゃなくて背骨側に乗りやすいんです。

ラックアップする前に、肩甲骨をギュッと寄せてください。バーを乗せるための硬い棚を、自分で作るイメージです。

体幹のブレーシングは「お腹をへこませる」ことじゃありません

今日ひとつだけ押さえておきましょう。スクワットは毎レップ、腹圧が必要です。難しい言い方ですけど、要は胴体を“炭酸の缶”みたいにパンッと内側から張って、背骨を全方向から支えるってことなんです。

やり方はこれです。

1. お腹に大きく息を入れます(胸じゃなくてお腹)。お腹が外に押し出される感じ。肋骨が上に持ち上がるのは違います。
2. その息を止めて、お腹に力を入れます。誰かにみぞおちを殴られそう、くらいのつもりで固めましょう。
3. それから降ります。

お腹をへこませるのは逆効果です。体幹の圧が抜けて、支えが弱くなります。しかも一番支えが欲しいのは、ボトムで背骨への負荷が最大になる瞬間なんですよ。

降りる間ずっと息を止めるやり方は、バルサルバ法と呼ばれます。名前は難しそうですけど、やることはこれだけ。吸う→止める→固める→しゃがむ→立つ→上で吐く。これを繰り返します。初心者が中くらいの重量を扱うなら、腰を守るうえでこれが一番効きます。

吸う→止める→固める→しゃがむ→立つ→上で吐く。この1つで腰の安全度が一気に上がります。

深さ:パラレル以下が目標。でも「取れる深さ」には順番があります

パラレル以下というのは、股関節の付け根(前側の折れ目)が、膝の上端より下に落ちることです。これがフルスクワットの基準ですね。

ただ、ここが大事なんですけど、深さは「気合」じゃなくて「動ける範囲」の結果です。足首が前に曲がらない(背屈――すねの方向に足首を倒す動き)と、深さに行く前にかかとが浮きます。股関節が硬いと、ボトムで腰が丸まって埋め合わせしがちです。いわゆるバットウィンクですね。これをやると、負荷が筋肉じゃなくて腰椎の椎間板側に逃げやすくなります。

おすすめの順番はこうです。
- まずはボックススクワットかgoblet squat(軽いダンベル/ケトルベルを胸の前で持つ)から。どっちも上体を立てる感覚が自然に身につきます。goblet squat benefitsが「教える種目」として強い理由も、そこで詳しく話しています。
- 足首が原因なら、かかとを少し高くします(各かかとの下に小さめのプレート)。これはズルじゃありません。ドリルです。足首が開いてきたら、徐々にやめればOK。
- 腰が丸まらずに、毎回ちゃんと深さが出せるようになってから重量を足します。

重い重量で浅くしゃがむのは進歩じゃありません。使ってる筋肉が減ってるだけです。太もも前とお尻は、パラレルに近づいてからやっとしっかり負荷が乗ります。そこより上だと、腰に頼りやすくなりますよ。

ボトムからの立ち上がり:前に押すんじゃなく、床を押し返します

スクワットのボトム――いわゆる“穴(ホール)”――ここでフォームが崩れやすいです。上体が前に潰れて、膝が内に入って、気づいたらグッドモーニングみたいな動き(脚じゃなく腰で持ち上げる別種目)になってたりします。

これ、合図を2つ入れるだけでかなり変わります。

1. 床を自分から遠ざける。 「立ち上がる」じゃなくて、「足で床を真下に押し込む」イメージです。お尻と太もも前が同時に働いて、上体も起きやすくなります。

2. 足で床を“横に広げる”。 足で紙を左右に引き裂く感じ。実際に足は動かさないけど、床に対して外に押す意識を入れます。これで膝がつま先の上を通りやすくなって、お尻も最初から入りやすいんです。

立ち上がりで胸が前に落ちるなら、だいたい原因は2つです。上背部が固まってない(バー位置のところに戻りましょう)か、重量が重すぎます。重量を落として、動きを固めて、それから足す。 重さでフォームが壊れるのはトレーニングじゃなくて、間違った動きを練習してるだけです。

重量を落として、動きを固めて、それから足す。フォーム崩れは「間違いの反復練習」です。

メインセット前の「5点チェック」

バーをラックアウトする前に、これを回してください。10秒で終わります。

1. スタンスOK。 足幅は肩〜股関節幅くらい、つま先は15–30°外。
2. バー固定。 肩甲骨を寄せて、バーが乗る“棚”を作る。
3. 大きく吸う。 胸じゃなくてお腹に。
4. ガチっと固める。 お腹は「殴られる直前」くらい。
5. 目線は前〜少し上。 天井は見ない(首が反りすぎます)。床も見ない(胸がつられて落ちやすいです)。

重量が乗ったら、レップ中に考えるのはこれだけで十分です。膝を外、胸を上、床を押す。 3つ。これ以上増やすと、考えすぎて逆に上がらなくなります。

スクワットで膝が痛いなら、原因は膝が内に入る動きのことが多いです。関節で何が起きてるか、どう直すかはsquat knee painで細かく解説しています。フォームが整ってきたあと「1回のセッションで何セットやるのが得か」を知りたいなら、how many sets of squats should i doにデータをまとめてあります。

Planfitだと、ここをこう使います

Planfitは、トレーニングレベルに合わせてスクワットを「メイン種目」にするか「ウォームアップのドリル」にするかを組み替えます。各セットごとに目標重量とレップ範囲も出るので、今の自分に対して重すぎる/軽すぎるを迷わなくていいんです。ログで安定してこなせているのが確認できたら、重量を自動で少しずつ上げてくれます。自分で細かく管理しなくても、漸進性過負荷がちゃんと回りますよ。