スクワットは何セット?筋力なら3、サイズなら5
5 studies · Schoenfeld 2019 RCT + meta-analysis
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答えは3セット—ただしサイズ狙いなら話は別
今日はひとつだけ押さえておきましょう。スクワットは1回のトレでメインセット3セットあれば、ちゃんと筋力が伸びます。 初心者向けの手抜きじゃないんです。2019年のRCT(被験者をランダムに分けて比較する実験)で、トレ歴のある男性34人を使って確かめています。
Schoenfeldらは、1種目あたり「1セット」「3セット」「5セット」の3グループに分けて、8週間トレーニングしてもらいました。結果はシンプルで、どのグループもスクワットの筋力はしっかり伸びています。しかも、1・3・5セットの間で有意な差は出ませんでした(Schoenfeld et al., 2019)。
つまり、目的が「スクワットの重量を伸ばす」なら、3セットで十分届きます。5セットまで増やさなくても、筋力はちゃんと動きますよ。
ただ、ここが落とし穴です。筋肉のサイズは別の話なんです。
3グループとも筋力は有意に伸びた—でも1・3・5セットで差は出なかった。
— Schoenfeld et al. (2019). Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men. Med Sci Sports Exerc.
筋肥大なら、5セットが一歩リード
同じ研究で大腿四頭筋の厚み(超音波で太ももの中央と外側を測定)を見たところ、高ボリュームのグループ(5セット)が、低ボリュームより有意に大きく成長しました(Schoenfeld et al., 2019)。
脚を太くしたい、筋肥大が最優先—この場合はこの差が効いてきます。3セットでも伸びますけど、5セットのほうが「伸びしろの天井」を押し上げやすいんですよね。
別のRCTでも、この「やればやるほど伸びやすい」傾向が確認されています。Brigattoら(2022)は、トレ歴のある男性で、筋群あたり週16・24・32セットを8週間比べました。どのボリュームでも外側広筋(太ももの外側の大きい筋肉)は厚くなりましたが、増え方はボリュームに合わせて大きくなっています。セット数が多いほど、サイズも伸びる—そんな感じです。
現場での結論:時間がないなら3セットは妥協じゃありません。ちゃんと狙える数字です。逆に、脚のサイズが最優先で回復も回るなら、1回あたり5セット寄りにしていくのはデータ的にもアリです。
じゃあ最低ラインは?どこまで減らしても伸びる?
出張、仕事が詰まった週、ジム滞在30分…そういうとき、どこまで削れますか?
Sports Medの2020年のメタ分析は、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトで、トレ歴のある人が1RM(1回だけ挙げられる最大重量)を伸ばすための「最小ライン」を狙って調べています。結論は、1回のトレで重いセットを1セットだけでも、継続できればスクワット筋力は維持も向上もできる、というものです(Androulakis-Korakakis et al., 2020)。
もちろん「適当に1セットやって終わりでOK」って話じゃないですよ。キーワードは重いこと。普段のメインセットに近い強度で、ちゃんと力を出す必要があります。
でも、時間が圧縮された週でも、スクワットを1–2セットしっかり追い込めば、カラダが慣れていく流れは止まりにくいんです。
とはいえ、普通の週は3セットをベースにしておきたいですね。
1回のトレで重いセットを1セットだけでも、トレ歴のある人ならスクワット筋力を維持・向上できる。
— Androulakis-Korakakis et al. (2020). The Minimum Effective Training Dose Required to Increase 1RM Strength. Sports Med.
1回のセット数より、週の合計セット数が効きます
ここで見方を変えると、スクワットの組み方が一気にラクになります。大事なのは「1回で何セットやるか」より、「1週間で合計何セットやったか」です。
Sports Medの2021年のナラティブレビュー(研究をまとめて、現場向けに結論を出すタイプの論文)でも、週のトレーニングボリュームのほうが頻度より重要だと整理されています。筋肥大の最低おすすめは、筋群あたり週4セット、負荷は6–15レップ帯です(Iversen et al., 2021)。
たとえば週2回スクワットして、毎回3セットなら週6セット。もう最低ラインは超えています。週1回で5セットでも週5セットなので、ちゃんと伸びるゾーンに入ります。
どっちでもOKです。分け方は自由。守るべきは週の合計なんですよ。
脚トレ全体の中でどう考えるかは、how many sets per muscle group per weekで筋群ごとの週ボリューム(大腿四頭筋も含む)をまとめています。
各セットをどれだけ本気でやるかで、話が変わります
同じ「1セット」でも、中身が違えば別物です。40%くらいの軽い重量で5レップをサッとやるのと、限界近くまで粘る8レップでは、筋肉に入る刺激が違います。
2020年のRCTではフルスクワットで、1セット中にどれだけスピード低下を許すか(=どれだけ粘るか)を厳密にコントロールしました。その結果、高い努力でやったグループ(速度低下20–40%を許容=限界に近いところまで押す)は大腿四頭筋が有意に成長しましたが、努力が低いグループはそうなりませんでした(Pareja-Blanco et al., 2020)。
速度低下(velocity loss)っていうのは、セットの中で疲れてバーのスピードが落ちる度合いで、要は「ちゃんとキツいところまでやれてるか」の目安です。速度計がなくても大丈夫。現場の言い換えはこれです:メインセットは、最後がちゃんとキツいところで終わるように。 毎セット「不快だから」と5レップも余らせて止めるのは、3セットやってるようで、実は3セット分の刺激になってないんですよね。
限界までどれくらい近づけばいいかは、training to failureで数字つきで整理しています。
速度低下20–40%を許した(一番キツい)グループは大腿四頭筋が有意に筋肥大。努力が低いグループは筋肥大しなかった。
— Pareja-Blanco et al. (2020). Velocity Loss as a Critical Variable Determining the Adaptations to Strength Training. Med Sci Sports Exerc.
実践処方:スクワットのセットの組み方
じゃあ研究を、今日のメニューに落とし込みましょう。
目的:筋力 — 75–85%の1RMでメインセット3セット。セット間は3分休憩。レップは4–6が目安です。これがベース。守りに入った数字じゃなくて、データが支えているラインなんですよ。
目的:サイズ(筋肥大) — 65–80%の1RMでメインセット4–5セット。6–12レップ。休憩は2–3分。各セットの最後の2–3レップが「ちゃんとキツい」と感じるところまで持っていきましょう。潰れるほどのグラインドじゃないけど、かなり近いところです。
時間がない — 1–2セットをガチで。普段のメイン重量より重めで、限界近くまで。これでも筋力の伸びはかなり守れます(Androulakis-Korakakis et al., 2020)。毎週これだと理想ではないですけど、つなぎとしては十分使えます。
週の目標 — 週の合計でスクワット4–6セットは確保したいです。分け方はスケジュール次第でOK(Iversen et al., 2021)。週2回×3セットは、きれいで根拠のある組み方ですね。
あと、ウォームアップセットも忘れずに。メイン重量に入る前に、2–3セットで段階的に重くしていきましょう。関節と神経がちゃんと起きます。ウォームアップはボリューム合計には数えません。
スクワットとレッグプレス、どっちが大腿四頭筋に効く?という比較は、squat vs leg pressで真正面からまとめています。
Planfitだと、ここをこう使います
Planfitは、目的が筋力か筋肥大か、そしてトレーニングレベルに合わせてスクワットのセット数を組みます。各セットのワーキング重量とレップ目標も出しますし、バーベルで重くやる前のウォームアップセットもちゃんと案内します。さらに、セッションをまたいだボリュームも追ってくれるので、週のスクワット総セット数がひと目で分かります。
今の重量がラクになってきたら、漸進性過負荷の「そろそろ上げましょう」サインで重量を少し上げます。自分で計算しなくても、伸びるゾーンに居続けられるってわけです。
参考文献
- Schoenfeld BJ, Contreras B, Krieger J, et al. (2019). Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men.. Med Sci Sports Exerc. 10.1249/MSS.0000000000001764
- Androulakis-Korakakis P, Fisher JP, Steele J. (2020). The Minimum Effective Training Dose Required to Increase 1RM Strength in Resistance-Trained Men: A Systematic Review and Meta-Analysis.. Sports Med. 10.1007/s40279-019-01236-0
- Iversen VM, Norum M, Schoenfeld BJ, Fimland MS. (2021). No Time to Lift? Designing Time-Efficient Training Programs for Strength and Hypertrophy: A Narrative Review.. Sports Med. 10.1007/s40279-021-01490-1
- Brigatto FA, Lima LEdM, Germano MD, et al. (2022). High Resistance-Training Volume Enhances Muscle Thickness in Resistance-Trained Men.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000003413
- Pareja-Blanco F, Alcazar J, Sánchez-Valdepeñas J, et al. (2020). Velocity Loss as a Critical Variable Determining the Adaptations to Strength Training.. Med Sci Sports Exerc. 10.1249/MSS.0000000000002295