ラットプルダウンで背中に効かない?原因と直し方5つ
1分で読了

ラットプルダウンで腕だけ燃えて、背中は何も感じない。これって普通?
普通です。ラットプルダウンは背中を作るのにめちゃくちゃ優秀な種目なんですけど、バーを「手で握って引く」以上、上腕二頭筋(二の腕の前)や前腕(肘〜手首)も一緒に働きます。
で、腕の筋肉って背中より小さいので先に疲れやすいんですよね。だから背中より先に腕がキツくなる。初心者あるあるです。しかも背中ってトレ中に見えないから、余計に「効いてる感」がつかみにくいんです。腕に先に来る=背中がサボってる、って意味じゃないので安心してください。
変えられるのは、「背中にどれだけ仕事をさせるか」です。
- 腕にしか効かない: 手でバーを引っ張っています。修正1。
- 首〜肩の上がしんどい: 肩がすくんでいます。修正2。
- あんまり何も感じない: レップが途中で短くなりがちです(修正3)。あと、重すぎて体が揺れてる可能性もあります(修正4)。
まずはフォームを直してからです。そのうえで、感覚より「重量とレップ」で判断しましょう。同じ重量でレップが増えた、同じレップで重量が上がった。これなら背中はちゃんと強くなっています。
フォームを直すために一度軽くしたなら、そこからまたレップや重量が伸びていくかを見てください。
1. 腕にしか効かない?「手で引く」じゃなく「肘を下げる」
手でバーを引っ張ろうとすると、上腕二頭筋と前腕が主役になっちゃいます。ここは発想を変えて、「肘を下に落とす」を意識しましょう。
- 肩幅より少し広めでバーを握ります。手のひらは前(順手)です。握り込みすぎないでください。親指は力を抜いて、薬指と小指で引っかける感じがコツです。
- 咳をする直前みたいにお腹を固めて、上体はほんの少しだけ後ろに倒します。腰を反らないように。
- 肘を肋骨の横に向かって下げます。バーは上胸まで下ろします。
- 肘が胸の前に残って、バーが顔の前で止まるなら、腕が引っ張っています(下の左の写真)。
それでも腕が先に限界になるなら、ピンを1枚上げて軽くしましょう。腕が先に終わらずに10〜12 repsできる重さが目安です。
ちなみに、上腕二頭筋が働くのは普通です。初心者を対象にした研究でも、「背中で引く」コツを教えると広背筋(背中の横の大きい筋肉)の働きは増えました。でも上腕二頭筋の働きは減っていませんでした(Snyder & Leech, 2009)。
だから二頭が働くのは気にしなくてOKです。肘を肋骨の横に下げることだけに集中しましょう。
2. 首に来る?まず肩を下げてから引く
肩が耳のほうにすくむと、肩の上〜首の付け根(僧帽筋上部)が頑張り始めます。なので、肘を曲げる前に「肩を下げる」を先にやりましょう。
- 太ももをパッドに入れて座り、腕を伸ばしたままバーを持ちます。
- 肘を曲げる前に、肩を耳から遠ざけるように下げます。肩が下がると首が長く見えて、耳と肩の間がスッと空きます。
- 肩を下げたままキープして、肘を肋骨の横に下げます。
- バーを戻すときに肩が少し上がるのはOKです。でも耳まで「すくめる」のはNG。次の1回はまた肩を下げるところから始めます。
最初のセットに入る前に、ステップ2だけを軽い重量で10 reps練習してみてください。腕はまっすぐのまま、肩だけを下げる→ゆっくり戻す。これをやると、毎レップを背中からスタートできるようになります。
3. 戻すときは腕を最後まで伸ばす
次の1回を急ぐあまり、腕が伸び切る前に引き始める人が多いです。そうするとバーが上まで戻らず、背中が一番伸びる(=効かせやすい)ところを丸ごと飛ばしちゃうんですよね。
バーは肘が完全に伸びるところまで上げましょう。ここで肩が少し上がるのは問題ありません。次の引き始めは、また「肩を下げる」からです。
可動域をしっかり使うほうが、途中までのレップより筋力も伸びやすいことが分かっています(Pallarés et al., 2021)。今の重量でフルレンジができないなら、素直に軽くしましょう。
4. 軽くして、ギュッとしたところで止める
重すぎると、上体を大きく反らしてガクッと引いてしまって、勢い(反動)が仕事をします。背中に入る前に終わっちゃうんです。
- 10〜12 repsできる重量にします。上体は「少しだけ後ろに倒した角度」のままキープ。前後に揺れないのが条件です。揺れないとバーが下りないなら重すぎます。
- 肘が肋骨の横に来たところで1秒止める。
- 戻すときは落とさずに、2〜3秒かけて上げます。
詳しくは軽い重量で狙った筋肉に効かせるコツも参考にしてください。
5. それでも背中に入らない?種目を替えよう
フォームを直してもラットプルダウンだと腕にしか来ないなら、アームプルダウンを試してみましょう。軽くしても体が揺れちゃうなら、シーテッドロウマシンかインクラインロウがおすすめです。
クイックチェック:直す順番はこれ
- バーは軽く握って、「手で引く」じゃなく「肘を下げる」を意識。
- 肘を曲げる前に、肩を耳から遠ざけるように下げる。
- 戻すたびに、腕を最後まで伸ばす。
- 10〜12 repsできる重量にして、1秒止める。
- それでもダメなら、上の種目に切り替える。
一気に全部直そうとしなくて大丈夫です。リストを上から1個ずつ潰していきましょう。
よくある質問
トレ後に背中が筋肉痛じゃないんですけど、効いてない?
効いてます。筋肉痛は「筋肉が育ってるサイン」ではありません。同じメニューを繰り返すと筋肉痛は減っていきますけど、結果はちゃんと積み上がります。
判断は重量とレップでいきましょう。同じ重量でレップが増えた、同じレップで重量が上がった。これならOKです。詳しくは筋肉痛がなくても筋肥大できる理由をどうぞ。
ラットプルダウンは順手と逆手、どっちがいい?
まずは手のひらが前(順手)から始めましょう。ある研究では、順手のほうが逆手より広背筋がよく働きました(Lusk et al., 2010)。
上体はどれくらい倒すべき?
ほんの少しで十分です。バーが顔を通って上胸まで下りてくる角度が作れればOK。
大きく倒しすぎると動きがロウ(体に引きつける動き)っぽくなって、反動も出やすくなります。腰が反るなら、だいたい重すぎです。
懸垂でも背中に効きません。同じ原因?
だいたい同じです。懸垂でも、引く前に肩を耳から遠ざけるように下げてからスタート。そこから肘を肋骨の横に下げる意識です。
まだフルの懸垂ができないなら、アシストプルアップかラットプルダウンで先に練習しましょう。
ベンチプレスでも胸に効きません。原因は同じ?
よくあります。ベンチは胸が押す主役、ラットプルダウンは背中が引く主役。でもどっちも腕の筋肉が手伝います。ベンチなら上腕三頭筋、ラットプルダウンなら上腕二頭筋ですね。
腕の筋肉は胸や背中より小さいので、先に疲れて「そこに効く感じ」が出やすいんです。ベンチで胸に効かない理由も参考にしてください。
声でフォームを覚える:ラットプルダウン編
1人でトレしていると、肘の位置とか、肩がじわっと上がってきてないかって、意外と追いきれないんですよね。Planfitの各種目にはガイドが付いています。音声コーチングなら、スタート姿勢・動かし方・呼吸をステップごとに聞きながら3 reps練習できますし、セット中もフォームのコツが流れてきます。
参考文献
- Snyder BJ, Leech JR. (2009). Voluntary increase in latissimus dorsi muscle activity during the lat pull-down following expert instruction.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0b013e3181bb7213
- Pallarés JG, Hernández-Belmonte A, Martínez-Cava A, et al. (2021). Effects of range of motion on resistance training adaptations: A systematic review and meta-analysis.. Scand J Med Sci Sports. 10.1111/sms.14006
- Lusk SJ, Hale BD, Russell DM. (2010). Grip width and forearm orientation effects on muscle activity during the lat pull-down.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0b013e3181ddb0ab