PPL(プッシュ・プル・レッグス) 5日分割:完全プログラム(セット数・レップ数つき)
フルプログラム · 6ワークアウト · RCT 4本 · メタ分析 1本
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PPL 5日分割の全体像(まずはここだけ)
今日はまず、今週からそのまま始められる「PPL 5日分割」を丸ごと渡します。3週間の回し方カレンダー、6つのワークアウト表(種目・セット・レップ・休憩)、各筋群が1週間でどれくらいのセット数になるか、そして重量を上げるためのシンプルなルールまで全部入りです。各種目はリンク先でフォームのコツとデモも確認できますよ。
向いている人。 トレ歴が最低でも6か月くらいあって、週5でジムに通える人。全身をまんべんなく筋肥大させたいならハマります。逆に、まだ始めたばかりだったり、週3〜4しか確保できないなら、無理に5回ねじ込むより下の3日版・4日版のほうが伸びやすいです。
仕組み。 Pushは胸・肩・三頭。Pullは背中・二頭・リアデル。Legsは大腿四頭筋・ハム・臀筋・カーフ。週5でこの3パターンを回すので、固定の曜日に当てはめるんじゃなくて「順番を回転」させます。1週目はPush, Pull, Legs, Push, Pull。2週目はLegs, Push, Pull, Legs, Push。3週間で各筋群は合計5回、週あたりだと約1.7回のペースになります。下で触れる研究的にも、ボリュームをこうやって分散させるのはかなり良い落としどころなんです。
所要時間。 60〜75分。各回6種目で、最初の2種目は重めのコンパウンドをしっかり休憩してやります。残りは高レップ寄りの補助種目で、休憩短めに回していきましょう。
週5のPPLって、実際どう?(良い分割?)
固定の「週5=Push, Pull, Legs, Push, Pull」を毎週やると、胸と背中は週2回なのに脚は週1回になっちゃいます。これが一番よくある“PPL 5日”なんですけど、下半身が置いていかれる人が多い理由もここです。
そこで効くのが回転式。3週間で見れば、脚もPush/Pullと同じく5回入ります。
頻度が大事なのは、ボリュームの“こなし方”が変わるからです。Zaroni et al. (2019)は、鍛えている男性18人で週間ボリュームを同じにそろえたうえで、片方は各筋群を週1回、もう片方は週5回で回しました。筋力の伸びは同じ。でも8週間後、週5回のほうが上腕二頭筋(肘屈筋群)と外側広筋の筋厚が有意に増えました。同じ仕事量でも、回数を分けると1回あたりをフレッシュにやれる、ってことなんですよね。
回転式にすると、毎回6種目で収まるのもメリットです。固定の週5で脚を週2にしようとすると、1回の脚が8〜9種目になりがちで、後半3種目は疲れて雑になりやすいです。
どうしても回転できない(たとえば月曜は絶対ジムに行けない、みたいに予定が固定)なら、Push, Pull, Legs, Upper, Lowerで回しましょう。Upper/Lowerのテンプレは下のバリエーションにあります。この形なら脚は固定の曜日で週2回入りますし、いわゆる「PPL週5」って言ってる人が実際にやってるのはこの構成のことも多いです。
同じボリュームでも頻度を上げると、8週間で上腕二頭筋と大腿四頭筋の筋厚が有意に伸びました。
— Zaroni et al. (2019). High Resistance-Training Frequency Enhances Muscle Thickness in Resistance-Trained Men. J Strength Cond Res.
Push A:胸メイン
Push Aはバーベルベンチプレス bench press から入ります。ここがこの日の“伸び”を追いかける種目になるからです。表にあるメインセットに入る前に、軽めで2〜3セットはウォームアップしておきましょう。
次にインクラインダンベルプレス incline dumbbell bench press で上部胸をカバー。そこからは肩と三頭に寄せて、休憩短めでテンポよくいきます。
休憩は、最初の2つのコンパウンドは2〜3分。補助種目は60〜90秒でOKです。サイドレイズとプッシュダウンは、各種目の最後のセットだけ限界近くまで。最初のセットはRIRで1〜2回残すイメージでいきましょう。
Pull A:背中の厚み(ローイング中心)
Pull Aは横方向の引き(ローイング)を軸に組んでいます。メインはバーベルロー barbell row。上体の角度を固定して、バーが体に当たる位置まで引ける重さにしてください。腰をヒンジで振って“持ち上げちゃう”と、狙いがズレます。
次に懸垂 pull up。まだ元気なうちにやりたいので2番目です。きれいに8回できないなら、ラットプルダウン lat pulldown に置き換えてOK。できるようになったら懸垂に戻しましょう。
フェイスプルはリアデルと、プレス種目が多いこのプログラムで肩を守ってくれる小さい筋肉を鍛えます。軽く感じてもサボらないでくださいね。最後は二頭で締めます。
Legs A:スクワットメイン
Legs Aは週で一番ヘビーな回です。バーベルスクワット barbell squat はメインセット4セット、休憩もしっかり取ります。ジムが混んでいてラックが空かない週はレッグプレスでもOKですけど、ずっと置き換えるのはおすすめしません。
ルーマニアンデッドリフト romanian deadlift はハムと臀筋を、ストレッチがかかった長い可動域で攻められます。この手のプログラムでハムが育つポイントは、だいたいここなんですよね。
レッグエクステンションとレッグカールは、背骨への負担を増やさずに四頭筋とハムのボリュームを足すために入れています。カーフは回復が早いのにサボられがちなので、両方の脚日に直接入れてあります。
Push B:肩メイン
Push Bは重点を入れ替えます。メインはスタンディングのオーバーヘッドプレス overhead press。胸はマシンとフライに寄せて、同じ角度で重いプレスを週2回やって肩関節に負担を集中させないようにしています。
2つ目のコンパウンドはディップス dips。前傾すると胸寄り、上体を立てると三頭寄りです。自重で8回できないなら、アシストマシンを使ってOKですよ。
サイドレイズがまた出てくるのは、わざとです。サイドデルは頻度に反応しやすいし、わりと耐えてくれます。週2回、12〜15レップを入れるのが、肩幅が目に見えて変わる最低ラインです。
Pull B:広がり(広背筋)、デッドリフト、腕
Pull Bはコンベンショナルデッドリフト deadlift から。セットは控えめに3セット、レップも低めです。デッドは「筋肉が増える量」に対して疲労がデカいので、ローテーションの中で1回だけにしてあります。
そのあとにラットプルダウンとワンハンドダンベルローで、縦引きと片側の引きをカバーします。
リアデルはリバースペックデックで2回目。二頭はインクラインカールを入れます。Pull Aの立ちカールだと作りにくい“長頭をストレッチで負荷をかける感じ”が出せるんです。
Legs B:ヒップヒンジ+片脚
Legs Bもスクワット系は残しつつ、ハックスクワットマシン hack squat machine に移します。これなら、2回連続で下背部が先に限界になるのを避けつつ、四頭筋をガッツリ追い込めます。
臀筋のメインはヒップスラスト hip thrust。そこにブルガリアンスプリットスクワット dumbbell bulgarian split squat を足して、ほとんどの人が持ってる左右差を埋めにいきます。
3週間で見ると、脚2テンプレの平均は「四頭筋の直接セットが週あたり約16」「ハムの直接セットが週あたり約8」くらいです。四頭筋は、筋肥大研究でよく使われる週10〜20セットの範囲に入っています。ハムは、ヒップスラストやランジの“間接的に効く分”も足すと、ちゃんと届きますよ。
筋群ごとの週間ボリューム(セット数)
下の表は、3週間のローテーション全体で筋群ごとの「直接のメインセット数」を数えたものです(Aテンプレは3回、Bテンプレは2回)。それを3で割って、1週間あたりの目安にしています。間接的に入る分(ベンチで三頭、ローで二頭みたいな補助)は別枠で載せていて、メインの数字には足していません。
もし特定の筋肉が遅れているなら、その筋肉を狙っている種目だけ「各種目に1セット追加」を4週間だけやって、終わったら元に戻しましょう。全部に一気に足すのはNGです。回復がこのプログラムの予算で、週5はその予算をほぼ使い切りますからね。
伸ばし方:まずレップを伸ばして、次に重量を足す
各種目にはレップ範囲があります。同じ重量のまま、全セットで上限レップに届いたら、次回は重量を上げてまた下限からやり直します。
バーベル種目なら上半身は2.5 kg (5 lb)、下半身は5 kg (10 lb)。ダンベルは次のペアへ。ケーブルやマシンはプレート1枚分が目安です。
ログは必須です。このプログラムは「前回何をやったか」が分からないと成立しません。PPL 5日で伸びる人と伸びない人の差って、結局12週間で数字が上がったかどうかがほとんどなんですよね。もし1セット目で下限レップすら届かないなら、重量アップが大きすぎです。1段階戻して1回やり直しましょう。
6〜7週に1回はディロードを入れてください。同じ種目・同じ重量で、セット数だけ半分にします。週5は疲労が積み上がって、週末の休みだけじゃ抜けきらないことがあります。計画的に軽い週を作るほうが、ケガで止まるよりずっと安いです。もう少し細かいルールが欲しいなら progressive overload training を見てください。
PPL+Upper/Lowerの週5、そして週3・週4・週6の回し方
週5が取れないなら、無理に合わせなくて大丈夫です。同じ6テンプレは、どの頻度でも使えます。変わるのは「1週間にいくつ回すか」と「ローテが1周するまでの長さ」だけです。
週3。 Push, Pull, Legsをそれぞれ1回ずつ。A/Bは週ごとに交互にします。各筋群は週1回になるので、各種目はメインセットを4セットに増やしましょう。トレ歴6か月未満なら、まずはこれが一番おすすめです。
週4。 Push, Pull, Legsの順番を週4で回し続ける(各筋群は週あたり約1.3回)か、固定でUpper, Lower, Upper, Lowerにします。UpperはPush AとPull Aの最初の3種目ずつを組み合わせる形です。Upper/Lower版は、各筋群を週2回当てられるのが強みですね。
週6。 Push A, Pull A, Legs A, Push B, Pull B, Legs Bで、休みは1日。各筋群は固定スケジュールで週2回になります。回復が追いつくように、各回から補助種目を1つ削ってください。ディロードも7週ごとじゃなくて5週ごとに入れるのがおすすめです。
週5固定(PPL+Upper+Lower)。 回転式が生活に合わないなら、Push A, Pull A, Legs Aのあとに、下の表のUpperとLowerを入れましょう。脚は固定で週2回、上半身は週3回になります。
分割法・頻度・組み合わせ:研究は何と言ってる?
分割 vs フルボディ:ボリュームが同じなら差はほぼ出ない。 2024年のsystematic review and meta-analysis(論文を何十本もまとめて分析した大きな調査+メタ分析)は、14研究・392人をまとめて、分割ルーティンとフルボディを直接比較しました。ベンチプレスと下半身の筋力の伸びは同程度。筋肥大も、肘伸展筋群・肘屈筋群・外側広筋・除脂肪体重で同程度でした(Ramos-Campo et al., 2024)。つまり、週の“形”より、各セッションの中身のほうが大事ってことです。
頻度を上げると、サイズでちょっと有利になることがある。 Zaroni et al. (2019)は週間ボリュームをそろえたうえで、週1回と週5回を比べました。筋力は同じ。でも8週間後、週5回のほうが肘屈筋群と外側広筋の筋厚が有意に増えました。だからこのプログラムも、ボリュームを少ない回数に詰め込むより、ローテで分散させる設計にしています。
それでも分割が四頭筋に強いことはある。 Bartolomei et al. (2021)は、鍛えている男性で10週間のトータルボディと分割を比較しました。ほとんどの指標は同じでしたが、例外が1つ。外側広筋の筋厚は分割のほうが有意に伸びました。脚の日を独立させると、四頭筋に重く・集中して当てやすい。だからこのプログラムも脚をUpperに混ぜず、単独セッションにしています。
協働筋で組むか、拮抗筋で組むかは、結果にほぼ影響しない。 Gonçalves et al. (2026)は、協働筋(ベンチ→三頭)で組むのと、拮抗筋(ベンチ→ロー)で組むので、8週間の結果が変わるかをテストしました。結論は変わりませんでした。筋肥大も筋力も同じ。つまりPush/Pullは“予定を組みやすい”ってだけで、体の仕組み的に必須ってわけじゃないんです。上のUpper/Lower代案も同じくらいアリですよ。
結局、いじるべきレバーはボリューム。 Franco et al. (2021)は、8週間で「週10セット/筋群」を高頻度と低頻度で回して、除脂肪体重に有意差がないことを示しました。ここに出てくる研究は全部、週間セット数がそろうと他の要素の差が薄れます。分割は“入れ物”、セット数が“中身”です。筋群ごとの目安セット数は how many sets per muscle group per week を、フルボディとの比較は full body vs split をどうぞ。
PPL週5でよくあるミス
脚が週1回のまま。 固定の「Push, Pull, Legs, Push, Pull」をそのままコピーする人が多いんですけど、これがスクワット停滞の原因になりがちです。回転式にするか、Upper/Lowerの代案を使いましょう。
毎回“全力”でやる。 週5で各回6種目が成立するのは、補助種目を限界の1〜2回手前で止めるからです。オールアウトは、アイソレーション種目の最後のセットだけに取っておきましょう。
セットじゃなく種目を増やす。 遅れている筋肉があると、つい7種目目を足したくなります。でも足すなら、今ある種目に1セット追加で十分です。準備も少ないし、ムダなボリュームも増えにくいですよ。
ディロードを飛ばす。 週5の疲労は、筋肉痛じゃなくて「3週間前は楽だった重量が重く感じる」で出ます。ここがサインです。対策は、計画的な軽い週を入れること。
毎月プログラムを変える。 分割を評価するなら最低12週間は見てください。ローテが体に馴染むのがだいたい3週目くらいで、伸ばし方のルールが効いてくるのも、何回か重量を上げてからです。
PPL 5日分割 FAQ
初心者でもPPL週5はアリ? 最初からはおすすめしません。最初の6か月は、週3のフルボディか、週3のPPLでも同じくらい伸びて回復がラクです。週3の1回が90分を超えるようになってきたら、週5に上げましょう。
この分割で有酸素はしていい? OKです。休みの日、またはPush/Pullの後に、低強度の有酸素を20〜30分を2〜3回なら邪魔になりにくいです。脚の日は避けてください。
1日飛ばしちゃったら? 途中から再開で大丈夫です。これはカレンダーじゃなくて“順番”なので、水曜を落としたら全体が1日ずれるだけです。
どれくらいで変化が出る? メイン種目の筋力は3〜4週間で動き始めます。見た目の変化は、8〜12週間はコツコツ伸ばして初めて分かります。分割が合ってるか判断するのも、最低そのくらいは必要です。
限界までやるべき? アイソレーション種目の最後のセットはOK。コンパウンドは1〜2回残して止めましょう。スクワットとデッドを週5で限界までやるのは、デカくなるより先にケガしやすいです。
種目を入れ替えていい? 同じ系統で入れ替えましょう。プレスはプレス、ローはロー。各日のメイン種目は最低12週間は固定して、伸びを追えるようにしてください。
この分割をPlanfitで回す
Planfitなら、PPLの回転をアプリが勝手に組んでくれます。6つのテンプレを順番にスケジュールして、各セットの作業重量とレップ範囲も提案。さらに、筋群ごとの総ボリュームを週単位で追跡します。
重量が“もうキツくない”状態になったら進め時を教えてくれるので、「レップを伸ばしてから重量を足す」ルールをスプレッドシートなしで回せます。Push/Pull/Legsのボリュームが横並びで見えるから、ローテが終わる前に「どこが遅れてるか」も一発で分かりますよ。
参考文献
- Ramos-Campo DJ et al. (2024). Efficacy of Split Versus Full-Body Resistance Training on Strength and Muscle Growth: A Systematic Review With Meta-Analysis.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000004774
- Zaroni RS et al. (2019). High Resistance-Training Frequency Enhances Muscle Thickness in Resistance-Trained Men.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000002643
- Bartolomei S et al. (2021). A Comparison Between Total Body and Split Routine Resistance Training Programs in Trained Men.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000003573
- Franco CMC et al. (2021). Influence of High- and Low-Frequency Resistance Training on Lean Body Mass and Muscle Strength Gains in Untrained Men.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000003145
- Gonçalves Dias W et al. (2026). A Comparison Between Synergist and Nonsynergist Resistance Training Schemes in Recreationally Trained Men.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000005336