Numbers Don't Lie

筋力アップに必要なセット数は? 重めを3セット、週3回

4 studies · Currier 2023 meta-analysis

筋力を伸ばすなら、セット数はどれくらい?答えは意外とシンプルです。Br J Sports Medの178研究を使ったベイズ・メタ分析がヒントになります。

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筋力アップに必要なセット数は? 重めを3セット、週3回

結論:重め×複数セット×週3回

今日は最初に答えを出しちゃいますね。筋力を伸ばすなら「重めで、複数セットを、週3回」がいちばん強いです。

これはベイズ・ネットワーク・メタ分析(いろんな研究結果をまとめて、トレーニング条件の組み合わせを順位づけする大きな分析)で出た結論です。対象はRCT(被験者をランダムに分けて比較する実験)178本、被験者5,097人(Currier et al., 2023)。

その分析では、「重め・複数セット・週3回」が、トレーニングなしと比べて標準化平均差1.60(95%信用区間 1.38–1.82)。純粋に“筋力だけ”で見ると、これより上の組み合わせはありませんでした。

数字が欲しくて来たなら、ここです。1種目あたり3–5セット、80% 1RM超の負荷で、週3回。まずはこれをスタート地点にしましょう。下では「なんでそうなるのか」と、「それでもキツいときの調整」を説明します。

重め・複数セット・週3回は、対照群に対してSMD 1.60。178研究の中で筋力向け処方として最上位でした。

Currier et al. (2023). Resistance training prescription for muscle strength and hypertrophy. Br J Sports Med.

筋力のレップ数とセット数:ボリュームより「重さ」が効く理由

ここ、みんなよく間違えます。セット数を増やす前に、まず“重さ”を追いかけるべきなんです。

筋力に限って言うと、いちばん効くのは負荷(バーがどれだけ重いか)です。Currier et al. (2023)では、セット数が何セットでも、80% 1RM超を使うメニューが筋力で安定して上位に来ました。逆に筋肥大(サイズ)は、負荷帯が違ってもだいたい同じくらい。筋力はそうはいきません。

じゃあ「80% 1RM超」って、体感でどれくらい?だいたい3–6レップをきれいにできて、そこから先は本当にもう1回が出ないくらいの重さです。12–15レップを余裕で回せるなら、筋力を最大化するには軽すぎます。

レップ数は、1セット3–6回が目安。軽めで回数を増やしても筋肉は育ちますけど、筋力の伸びは取りこぼしやすいんですよね。

セット数はどうするか。結論は1種目あたりメインセット3–5セットです。「メインセット」は、ウォームアップが終わってトレーニング重量でやるセットのこと。ウォームアップセットはこの数に入れません。

筋力トレの週間セット数:頻度(週何回)の話

1回あたりのセット数も大事ですけど、同じくらい大事なのが「どれくらいの頻度で回すか」です。筋力なら、1つの筋群を週3回がいちばんおいしいところ。これも同じ178研究の分析(Currier et al., 2023)からです。

とはいえ、ジムに週6で通えって話じゃないですよ。週3回の全身トレなら、主要な筋群を全部ちょうどいい頻度で回せます。プッシュ/プル/レッグを週6で回すのもアリですけど、多くの人には必須じゃありません。分割での頻度とボリュームの絡みは push pull legs 5 day split で深掘りしています。

週2回しかできない場合でも、筋力はちゃんと伸びます。最大値には届きにくい、というだけです。ちなみに同じメタ分析では、筋肥大の頻度は週2回が最上位でした。だから週2がムダってことはありません。でも筋力だけ狙うなら、週3が勝ちです。

筋群ごとの週間総セット数については、how many sets per muscle group per week にまとめています。ざっくり言うと、1筋群あたり週10–20セットでだいたいの人はカバーできます。

1セットでも筋力は伸びる?

伸びます。ここ、忙しい人ほど知っておくと助かります。

重めの種目を1セットだけでも、週に複数回やれば筋力は上がります。特に始めたばかりなら効果が出やすいです(Nuzzo et al., 2024)。これは「シングルセット」トレーニングと呼ばれていて、まとまった時間が取れない人向けの“最小有効刺激”の選択肢としてSports Medicineがレビューしています。

ただし落とし穴もあります。シングルセットは、長い目で見ると複数セットより伸びが小さくなりやすいんです。天井じゃなくて床、ってイメージですね。予定的に1セットしか無理ならそれでOK。でも3セットできるなら、3セットにしましょう。追加のセット分、ちゃんとリターンがあります。

もう1つ、「筋力テストを練習する」みたいなやり方もあります。つまり、1RMの最大1回を週に何日もやる方法ですね(Nuzzo et al., 2024)。これは特定のテストに合わせるためのニッチな手段で、何カ月もかけて一般的な筋力を作る目的とは別物です。普段のセットをこれに置き換えないでください。

忙しい人の結論:1セットは0よりずっといいです。3セットは1セットより強いです。1回のセッションで1種目あたり5セットを超えてくると、筋力の上積みはエビデンス的に薄くなってきます。

シングルセットでも筋力は伸びます。ただ、複数セットのほうが時間とともに伸び幅は大きくなります。

Nuzzo et al. (2024). Resistance Exercise Minimal Dose Strategies. Sports Med.

筋力の日のセット間休憩:思ってるより長めでOK

筋力狙いなら、セット間は長めに休みましょう。目安は2〜3分で、研究もそこを支持しています。

昔からの筋トレ研究では、筋力向けのセット間休憩は2 ± 1分(つまり1–3分)と説明されることが多いです(Santos et al., 2022)。現場だと幅が出るのは当然ですけど、重くなるほど休憩は必要になります。80% 1RM超のセットだと、多くの人は3分しっかり取ったほうが次のセットの質が保てます。筋肉のホスホクレアチン(短時間の最大出力で使う“即効エネルギー”)を戻す時間が要るんですよね。

短い休憩(60 sec未満)は筋肥大ならアリ。でも筋力には向きません。筋力の日に時短のために休憩を削ると、いちばん大事な要素=負荷を落とすことになります。疲れた状態での75% 1RMの2セット目は、フレッシュな85%のセットと同じ刺激じゃないんです。

休憩時間のデータをもっと細かく見たいなら、how long should you rest between sets に比較結果をまとめています。

実用的なコツを1つ。休憩中に、そのセットのレップ数と重量をメモしましょう。記録しておくと「ちゃんと伸びてるか」をごまかせません。筋力って、結局そこがすべてなんです。

筋力と筋肥大:同じセット数でも結果は違う?

ここで大事なのは、筋力と筋肥大は、ボリュームへの反応が違うってことです。エビデンス全体でいちばんはっきりしているポイントですね。

閉経後女性58人の12週間のRCTでは、1種目あたり6セットのほうが3セットより筋肥大は大きくなりました。でも筋力の伸びは、両グループで同じでした(Nascimento et al., 2022)。つまり、ボリュームを増やしても筋力は上乗せされなかった。増えたのはサイズだけ、ということです。

Currier et al. (2023)も大規模に同じ傾向を示しています。筋力は「重さ」が効くので、シングルセットでも複数セットでも、重ければ最大化しやすい。一方で筋肥大は、総量(セット×レップ)に比例しやすいんです。

これを自分のメニューに落とすと:筋力が目的なら、1種目6セット以上まで無理に積む必要はありません。重めでメインセット3–5セットで十分です。それ以上は回復コストだけ増えて、筋力の上積みは小さくなりがち。サイズも欲しいなら、そのときにボリュームを上げればOKです(理由が違う、ってことですね)。1回あたりのボリューム全体像は how many sets per workout を見てください。

6セットは3セットより筋肥大が大きかった。でも筋力の伸びは同じ。増えたのは筋肉で、筋力じゃありませんでした。

Nascimento et al. (2022). Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy, but Not Strength. J Strength Cond Res.

実践メニュー:筋力セッションはこう組む

じゃあ最後に、数字を「実際に回せる形」に落とし込みましょう。

負荷:3–5レップをきれいにできる重さを選びます。全セットで6レップできちゃうなら、次回は重量を上げましょう。これが漸進性過負荷です。刺激が少しずつ強くならないと、カラダは強くなってくれません。週ごとの進め方は progressive overload training にまとめています。

セット:1種目あたりメインセット3–5セット。重いトレがまだ慣れてないなら、まずは3セットからでOKです。カラダが慣れてきたら、2–3週間ごとに1セット足していきましょう。

頻度:主要な筋群は週3回。

休憩:セット間2–3分。タイマーを使いましょう。感覚でやると短くなりがちです。

種目:コンパウンド種目を選びます。barbell squatdeadliftbench pressbarbell row、オーバーヘッドプレス。たくさんの筋肉をまとめて使えるので、1セットあたりの筋力アップ効率が高いです(Weakley et al., 2023)。

シンプルな1週間の例:
- Session A: Squat 4×4, Bench 4×4, Row 4×5
- Session B: Deadlift 3×4, Overhead press 4×4, Pull-up 3×5
- 1週目はA–B–A、次の週はB–A–Bで交互

これで十分です。週3日、1回3–4種目、各種目3–5セットを重めで、休憩は2–3分。メタ分析が「筋力に必要」と言っている要素は全部入っています。

Planfitだと、ここがこう反映されます

Planfitは、上で話した原則をそのまま筋力セッションに落とし込みます。メインは重めのコンパウンド種目。1種目あたりメインセット3–5セット。筋力向けの休憩時間に合わせてタイマーもセットします。

セット・レップ・重量はその場で記録されて、セッションをまたいだ伸びも追えます。漸進性過負荷も自動で回してくれるので、今の重量がラクになってきたら負荷を少し上げる提案が出ます。式を覚えておく必要はありません。アプリが回してくれます。

参考文献

  1. Currier BS et al. (2023). Resistance training prescription for muscle strength and hypertrophy in healthy adults: a systematic review and Bayesian network meta-analysis.. Br J Sports Med. 10.1136/bjsports-2023-106807
  2. Nuzzo JL et al. (2024). Resistance Exercise Minimal Dose Strategies for Increasing Muscle Strength in the General Population: an Overview.. Sports Med. 10.1007/s40279-024-02009-0
  3. Nascimento de Oliveira Júnior G et al. (2022). Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy, but Not Strength in Postmenopausal Women: A Randomized Controlled Trial.. J Strength Cond Res. 10.23736/S0022-4707.21.12112-7
  4. Santos WDN et al. (2022). What is the traditional method of resistance training: a systematic review.. J Sports Med Phys Fitness. 10.23736/S0022-4707.21.12112-7
  5. Weakley J et al. (2023). Physiological Responses and Adaptations to Lower Load Resistance Training: Implications for Health and Performance.. Sports Med Open. 10.1186/s40798-023-00578-4