Numbers Don't Lie

1セット何回?筋力なら2–6回、筋肥大なら6–20回

4 studies · 1 meta-analysis · ACSM 2026

1セットの回数は目的で決まります。筋力を最速で伸ばすなら1セット2–6回、筋肥大なら6–20回。ACSMが2026年に出した「レビュー137本」のまとめが、その理由をはっきり示しています。

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1セットの回数:筋肥大 vs 筋力(4つの研究より)

答えはこの2つ:筋力は2–6回、筋肥大は6–20回

セット間にサクッと聞かれたら、こう答えます。

筋力を最大化したいなら、重めでいきましょう。1セット2–6回、目安は1RMの≥80%です。 一方で筋肉を大きくしたい(いわゆる筋肥大)なら、レンジはもっと広いんです。6–20回ならだいたいOK。ポイントは「もう1回は無理」ってところの手前まで追い込むことですよ。

この結論を強く押しているのが、ACSMの2026年のポジションスタンドです。論文を何十本もまとめて分析した大きな調査を、さらに上から整理した内容で、レビュー137本・被験者3万人以上をまとめています(Currier et al., 2026)。2009年のガイドラインも、ここでアップデートされました。

ここから先は、なぜこの数字が効くのか、そして実際のトレーニングでどう使うかを、わかりやすく整理していきます。

レビュー137本。被験者3万人以上。結論:筋力は重め、筋肥大は中くらいの重さで幅広く。

— Currier et al. (2026). ACSM Position Stand. Med Sci Sports Exerc.

筋肥大(hypertrophy)を狙うなら、何回×何セット?

研究でいちばん意外だったポイント、先に言っちゃいますね。筋肥大に関しては、レップ数そのものはそこまで重要じゃないんです。ちゃんとキツくやれていれば。

Schoenfeldら(2017)のメタ分析(21本の研究をまとめた分析)では、軽め(≤60% 1RMで高回数)と重め(>60% 1RMで低回数)で、筋肥大に有意差が出ませんでした。 条件はシンプルで、どのセットも限界までやった場合です(Schoenfeld et al., 2017)。

つまり現場の言葉にすると、自重スクワットを20回、ガチで「もう1回ムリ」までやるのも、バーベルスクワットを重めで6回、同じく限界までやるのも、筋肉の育ち方はかなり近いってことなんですよ。

レップ数より効いてくるのは、週の総ボリューム(各筋肉に対して「キツいセット」を何セットやったか)です。 ACSMのまとめでも、筋肉ごとに週≥10セットのほうが、少ないボリュームより筋肥大が大きくなりました(Currier et al., 2026)。この数字をもう少し深掘りしたいなら、how many sets per muscle group per weekも見てください。

多くの人にとって現実的な目安は、種目ごとに8–15回を3–4セット。各セットの最後はあと1–3回できそう(RIR 1–3)くらいで止めるのがちょうどいいです。

筋力を伸ばすなら、何回×何セット?

純粋な筋力— barbell squat、bench press、deadliftの1RMみたいなやつ—は、重いほうがハッキリ有利です。

2017年のメタ分析でも、筋肥大が同じくらいでも、1RMの伸びは重め(>60% 1RM)のほうが有意に大きいと出ています(Schoenfeld et al., 2017)。これ、感覚的にも納得ですよね。筋力って筋肉だけじゃなくて「動かし方の上手さ」も入ります。神経系が「力の出し方」に慣れるには、やっぱり重いものを持つ練習が必要なんです。

Schoenfeldら(2016)の研究(筋トレ経験者の男性19人)でも、真正面から比べています。2–4回の重めグループは、8–12回の中くらいグループよりスクワットの筋力が大きく伸びました。しかも、セット数は同じ条件です(Schoenfeld et al., 2016)。

ACSMのポジションスタンドは、筋力の目安を1RMの≥80%に置いています。多くの人だと、だいたい1–6回に収まる強度ですね(Currier et al., 2026)。

筋力の実用ターゲット:80–90% 1RMで2–5回を3–5セット、週2–3回。 セット数の考え方はhow many sets for strengthにまとめています。

筋力は「筋肉」だけじゃなく「スキル」でもあります。重い負荷は、神経系に「力を出す練習」をさせるんです。

— Schoenfeld et al. (2017). J Strength Cond Res.

筋肥大のセット数・回数って、細かい数字までこだわるべき?

筋肥大レンジの中なら、レップ数の細かい違いは、思っているほど大きくありません。2017年のメタ分析でも、6–30回でも筋肉は育つってことがはっきり出ています(Schoenfeld et al., 2017)。

ただ、実際に続けやすい「ちょうどいいところ」はあります。限界まで毎回やらない前提なら、8–15回(60–75% 1RM)あたりがいちばん回しやすいことが多いです。20–30回みたいな高回数でも筋肥大は狙えますけど、限界にかなり近づけないといけないので、疲労が1回のワークアウト全体に響きやすいんですよね。

使えるルールはこれです:フォームを崩さずに、ちゃんとキツくできるレップ帯を選ぶ。 研究的には8回でも15回でも大差ないです。差が出るのは、フォームと頑張り方のほうなんですよ。

6–30回でも筋肉は育ちます。限界の近くまで追い込めていれば、です。

— Schoenfeld et al. (2017). J Strength Cond Res.

レップ帯より大事:漸進性過負荷(少しずつ伸ばすこと)

レップ帯の議論で見落とされがちなんですけど、ここがいちばん大事です。筋肉を育てる最大のドライバーは「何回にするか」じゃなくて、時間とともにちゃんと伸びているか(前より重い・前より多い)なんです。

2026年のRCT(被験者をランダムに分けて比較する実験)では、トレーニング未経験の女性55人を2グループに分けました。種目は同じ(肘伸展)、セット数も同じ(3)、狙う回数も同じ(8–12)。違いは1つだけ。上限の回数に届いたら重量を上げるグループと、重量を固定したままのグループです。

結果はかなりハッキリで、8週間後の上腕三頭筋の厚みは、漸進グループが21.4%増、固定グループが11.3%増でした(Kassiano et al., 2026)。レップ帯もセット数も同じ。違ったのは「重量が上がったかどうか」だけです。

だから、回数だけ追いかけて、重量が伸びているかを見ていないのは、よくあるもったいないミスなんです。レップ帯は「ゾーン」を決めるだけ。漸進性過負荷が、そのゾーンを結果につなげます。 ここはprogressive overload trainingで詳しく話しています。

同じレップ帯でも、重量を伸ばしたほうが伸びます。21.4% vs 11.3%。

— Kassiano et al. (2026). Med Sci Sports Exerc.

目的別:1セットの回数をどう組む?

理屈はいいから数字だけ欲しい、ってときのまとめです。

目的:最大筋力
- レップ帯:1–5回/セット
- 負荷:≥80% 1RM
- セット数:種目あたり3–5
- 頻度:動き(種目パターン)ごとに週≥2回
- 根拠:Currier et al., 2026; Schoenfeld et al., 2016

目的:筋肥大(サイズ)
- レップ帯:6–20回/セット(実用的には8–12回がやりやすい)
- 負荷:60–80% 1RM
- セット数:種目あたり3–4、筋肉ごとに週合計≥10セット
- 各セットの最後はRIR 1–3(あと1–3回残し)
- 根拠:Currier et al., 2026; Schoenfeld et al., 2017

目的:両方(一般的な体づくり)
- ローテーションしましょう。4–6回の期間を数週間やったら、次は8–12回を数週間。どっちかに振り切らなくても、両方伸ばせます。

全目的共通のルールは1つ:時間とともに重量か回数を伸ばすこと。 同じレップ帯でも、ずっと重さが変わらないより、伸びていくほうが筋肉は育ちます(Kassiano et al., 2026)。

Planfitだと、ここがこう反映されます

Planfitで目標を「筋力」か「筋肥大」に設定すると、その目的とこれまでの記録に合わせて、各種目のメインセットのレップ帯と目標重量を割り当てます。重いセットの前には、関節を温めるためのウォームアップセットも低負荷で順番に出してくれるので安心です。

セットを記録していくと、Planfitがセッションごとの重量の推移を追いかけて、今の重量がラクになってきたタイミングで「そろそろ上げましょう」と提案します。これが、Kassiano et al. (2026)のRCTで筋肥大がほぼ2倍近く変わった“仕組み”そのものなんですよ。先週何kgを持ったか、覚えておく必要はありません。そこはアプリがやってくれます。

参考文献

  1. Currier BS et al. (2026). American College of Sports Medicine Position Stand. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews.. Med Sci Sports Exerc. 10.1249/MSS.0000000000003897
  2. Schoenfeld BJ, Grgic J, Ogborn D, Krieger JW. (2017). Strength and Hypertrophy Adaptations Between Low- vs. High-Load Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysis.. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000002200
  3. Schoenfeld BJ et al. (2016). Differential Effects of Heavy Versus Moderate Loads on Measures of Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men.. J Sports Sci Med
  4. Kassiano W et al. (2026). Progressive Overload Affects the Magnitude of Muscle Hypertrophy.. Med Sci Sports Exerc. 10.1249/MSS.0000000000003968