Numbers Don't Lie

1セットのレップ数:筋肥大と筋力で何回?研究4本で整理

研究4本 · RCT 2本 + メタ分析1本

1セット何回やる?筋肥大なら6–20回、筋力なら1–8回。ただしレップ数は「先に決める数字」じゃなく、重量と「どこで止めるか」から自然に決まります。

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1セットのレップ数:筋肥大と筋力で何回?研究4本で整理

1セット、何回やればいい?

今日はここだけ押さえておきましょう。レップレンジの記事って、だいたいここを取り違えています。1セットのレップ数って、先に「選ぶ数字」じゃないんです。自分で決めるのは2つだけ——重量と、どこで止めるか。レップ数はその結果として出てきます。

それを分かりやすくしてくれるのが、2024年のランダム化試験です。22人のリフターがbarbell squatで同じセッションをやりました。内容は75% 1RMで5セット。1RMは「フォームを崩さず1回だけ挙げられる最大重量」のことですね。違ったのは“止め方”だけです。

片方は「バーのスピードが10%落ちたら止める」。もう片方は限界まで。

重量もセット数も同じ。それなのに、1セットあたり3.9回 vs 13.8回(Romagnoli et al., 2024)。

たった「いつラックに戻すか」だけで、レップ数が3.5倍も開いたわけです。

じゃあ数字が欲しい人向けにまとめます。筋肥大なら1セット6–20回、筋力なら1–8回。両方狙える重なりは6–8回です。ただ、これは“目標の数字”じゃなくて“帯(レンジ)”なんですよね。どこに落ち着くかは、ページに書いてある回数じゃなく、重量と止め方で決まります。だから本当に役に立つ質問はこうです。自分の目的に合うレップ帯はどれで、その中に収まる止め方はどれ?

この記事ではまず前半(目的別のレップ帯)を整理して、最後に「自分のレップ数の見方が変わる」止め方のポイントも話します。(限界まで追い込むべきかの根拠は training to failurerpe vs rir もどうぞ。)

重量も同じ、5セットも同じ。それでも1セット3.9回 vs 13.8回——決めたのは「どこで止めたか」だけ。

Romagnoli et al. (2024). Does Fatigue Affect the Perception of Velocity Accuracy During Resistance Training? J Strength Cond Res.

筋肥大(筋肉を大きくする)なら、1セット何回?

筋肥大——筋肉を大きくする目的なら、研究が示しているのはかなり広めです。目安はだいたい1セット6–20回。条件はシンプルで、限界に近いところまでやることです。

75% 1RMあたりだと、多くの人が6–12回に収まりやすいですよね。でも、もっと軽め(50–60% 1RM)でも、限界近くまで持っていけば、重くて低レップのやり方と同じくらい筋肥大します。理屈は同じで、育つ筋線維をしっかり動員して、ちゃんと疲れさせているからです。

実際どう使うか、ざっくり言うとこうです。
- 6–12回:王道の筋肥大レンジ。筋肉にしっかり張力(筋線維にかかる引っ張り・荷重)をかけつつ、1セット内で疲労も溜めやすいです。
- 10–20回:これも全然アリ。dumbbell bicep curlやサイドレイズみたいなアイソレーション種目は関節の負担が少ないので、回数を増やしやすいんですよ。
- 5回未満:筋肉はつきますけど、どちらかというと筋力向き。ここは次で話します。

レップレンジと筋肥大の関係をもう少し深掘りするなら、how many reps for muscle growthも見てください。

もう1つだけ。筋肥大のレップレンジの上限って、みんなが思ってるより高いんです。もし何カ月も3×10で停滞してるなら、軽めにして3×15——しかも限界近くまで——これでもちゃんと伸びますよ。

筋肥大の「回数×セット数」:セット数が変わると答えも変わる?

セット数と1セットのレップ数は、別々にいじれるつまみです。セット数だけの影響をきれいに見るなら、レップ数を固定するのが一番。Lundbyら(2024)はまさにそれをやっています。8週間、よく鍛えたローイング選手に「10回を3セット」vs「10回を5–10セット」。どっちも1セット10回で統一です。

結果はどうだったかというと、筋力は両方上がりました。でも除脂肪体重(Lean body mass)はどちらも変化なし。さらに、どの指標でもグループ差は出ませんでした。高ボリューム側はセット数を3倍にして、ジム滞在時間もかなり増えたのに、です。

つまり「セット数が変わると答えも変わる?」への答えは、この試験では変わらないです。少なくとも、すでに鍛えていて、週3回しっかり追い込むトレーニングをしている条件では、追加のセットが“買い物”にならなかった、ということですね。

実践での結論はシンプルです。フォームを崩さず続けられて、漸進性過負荷をかけられるレップ帯を選びましょう。漸進性過負荷は、時間とともに重量やレップを伸ばしていくこと(progressive overload training)。結局これが、長期の筋肥大を動かします。

部位ごとの週あたり総セット数の組み方は、how many sets per muscle group per weekへ。

筋力を伸ばすなら、1セット何回?

筋力——もっと重い重量を動かす目的なら、定番の目安はこうです。1セット1–8回を75–85%+の1RMで。実用ゾーンは3–6回。重く、回数は少なめ、インターバルは長め。スクワットやbench pressの重量を伸ばしたいトレーニーなら、まずこれで外しません。

ただ、「重くして回数を減らす」がいつでも正解ってわけでもないんです。このパッケージの中の1本が、いい修正を入れてくれます。

2025年のベイズ型ネットワーク・メタ分析は、サルコペニア(加齢による筋肉量低下)の高齢者を対象にした試験13本をまとめて、「握力を一番伸ばした負荷と回数の組み合わせ」を探しました。勝ったのは、重い低レップ側じゃありません。49% 1RMで16回、6セット、週3回でした(Hua-Rui et al., 2025)。

ここは大事なので言い方を揃えます。対象も目的も違います。鍛えた人の1RMスクワットじゃなく、臨床的に弱い高齢者の握力です。だから次の筋力ブロックの処方箋として読む必要はありません。

でも、「筋力が伸びる負荷×回数は、誰がやるかで変わる」っていう証拠にはなります。未経験者や高齢者なら、重いシングルより、中くらいの重量で回数をやった方が伸びることもあるんですよね。

健康でトレーニングしている人向け:筋力寄りのレップ目安
- 1–5回:最大筋力。barbell squatdeadliftbench pressみたいなコンパウンド種目向き
- 3–6回:実用的な筋力ゾーン。神経系がうまくなる(筋肉を動員するのが上手くなる)刺激が入りつつ、繰り返しやりやすいです
- 6–8回:重なりゾーン。筋力も筋肥大も狙えます

このレンジに合わせるセット数は、how many sets for strengthをどうぞ。

サルコペニアの高齢者では、握力に一番効いたのは49% 1RMで16回——重いシングルじゃありませんでした。

Hua-Rui et al. (2025). Optimal dose of resistance training to improve handgrip strength in older adults with sarcopenia. Front Physiol.

筋肥大のセット数と回数:実践チートシート

種目ごとに別の“正解の数字”を探す必要はありません。大事なのは、同じ考え方をいろんな種目に当てはめて、そこでちゃんと追い込めるレンジを持つことです。目的別にまとめますね。

筋肥大(サイズ)狙い:
- コンパウンド種目(barbell squatbarbell rowbench press)は1セット6–12回
- アイソレーション(dumbbell bicep curl、サイドレイズ、leg extension)は10–20回
- 多くのセットは限界の1–3回手前で止める——フォームが崩れにくく、次回も同じ強度で積み上げられます

筋力狙い:
- 1セット1–8回(実用ゾーンは3–6回)
- 1RMの75%以上
- セット間はしっかり回復——最低3分

両方(重なりゾーン):
- 6–8回を、7回目あたりで「これはキツい」と感じる重量で
- 中級者の多くはここに落ち着きますし、ちゃんと効きます

バスケ選手を対象にしたJanicijevicら(2026)のRCT(被験者をランダムに分けて比較する実験)も、いい確認になります。レップの組み方(スーパーセット vs クラスターセット——セット内の休憩を細かく挟むやり方)より、総レップ数と重量の方が大事なんです。どちらのやり方でも、1種目あたり1回のセッションで合計18回、75% 1RMに揃えると、6週間で同じ神経筋の改善が出ました。

形はわりと自由です。でも、重量と限界までの近さはごまかせません。

結局、1セットのレップ数を決めているもの——どう対処する?

レップ数は“結果”です。じゃあ何の結果か?支配している入力は2つで、重量と「どこで止めるか」です。ほとんどの人は重量はちゃんと決めるのに、止め方は曖昧なままなんですよね。

Romagnoliの試験には、止め方を実用にしてくれるもう1つの発見があります。研究の本題は「疲れているとバーのスピードを正しく判断できなくなるのか?」でした。結論は、なりません。ハードなセッション直後でも、リフターはバーベルの速度を休んでいる時と同じくらい正確に見積もれました。限界までやったグループは、軽〜中重量で実際のバー速度が落ちていたのに、です(Romagnoli et al., 2024)。

疲れていても、「バーがどれくらい速く動いてるか」の体感は意外と当てになります。だからこそ、速度計がなくても「バーが明らかに遅くなって、フォームがズレ始めたら止める」というルールが使えるんです。で、当然レップ数はプログラムに印刷された数字からズレます。

実践ではこう考えましょう。狙うのは“回数”じゃなく“レップ帯”です。メニューに10回と書いてあって、同じ重量で8回だったとしても、セッション失敗じゃありません。測定できただけです。ログに残して、数週間の流れを見ながら重量を調整しましょう(progressive overload training)。数字に無理やり合わせにいくより、伸びます。

狙うのは“回数”じゃなく“レップ帯”。

Planfitだと、ここをどう使う?

Planfitは、目的(筋肥大・筋力・両方)に合わせて、種目ごとのレップレンジとメイン重量を組みます。各セットをログして、セッションをまたいだ伸びも追いかけます。そして「そろそろ重量を上げよう」をアプリが教えてくれます。

チートシートを暗記しなくていいんです。各種目に合うレップ帯を当てて、そこが“ちゃんとキツい”ものじゃなくなったら重量を少し上げる。漸進性過負荷を、裏で自動で回してくれます。

参考文献

  1. Romagnoli R, Piacentini MF (2024). Does Fatigue Affect the Perception of Velocity Accuracy During Resistance Training?. J Strength Cond Res. 10.1519/JSC.0000000000004765
  2. Lundby C et al. (2024). Eight weeks of heavy strength training increases hemoglobin mass and VO2peak in well-trained to elite female and male rowers.. J Appl Physiol. 10.1152/japplphysiol.00587.2023
  3. Hua-Rui et al. (2025). Optimal dose of resistance training to improve handgrip strength in older adults with sarcopenia: a systematic review and Bayesian model-based network meta-analysis.. Front Physiol. 10.3389/fphys.2025.1564988
  4. Janicijevic D et al. (2026). Beyond traditional sets: A longitudinal comparison of cluster and superset strength training in male basketball players.. J Sports Sci. 10.1080/02640414.2026.2637204